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第518回

「収入証明書類」を用意して、より有利なローンを選ぼう

社会人生活4年目にして、一人暮らしをはじめました。今までは急にお金が必要になったら親を頼っていましたが、一人暮らしになってからは、親を頼ってばかりはいられません。そこで、急な出費の備えとしてカードローンの申し込みを検討中です。ローンの申し込みの際には、運転免許証のコピーなどのほかに、収入を証明する書類が必要だと思っていたのですが、「収入証明書類不要!」というローンを見つけました。書類が少ないほうがラクでいいですよね。あえて、収入証明書類を準備するメリットはあるのでしょうか。
一定額以上の借入を希望するなら、収入証明書類を準備したほうが有利です。使い道から必要な利用限度額を考えて、自分にとって有利で便利なローンを選びましょう。

「何に使うつもりか」をよく考えて、ローンを選ぼう

カードローンに限りませんが、お金を借りようというときには、まず「いつ、何に、どれくらい使うか」をよく考えることが大切です。ご相談者は、「いざというときに備えて」カードローンを検討中とのこと。カードローンは、資金使途が自由で、あらかじめ申し込んでおけば借りていないときには利息がかからず、必要なときにすぐ借りられるというローンですから、「いざというとき=使う時期は未定だけれど必要になったらすぐに」というニーズにはぴったりですね。

では、そのカードローンは、「何に、どれくらい」使うことになりそうかを次に考えてみましょう。「いざというとき」はどんなときで、どれくらいの金額が必要になりそうですか?給料日前のお財布のピンチに?急な病気やケガの治療費として?いわゆる「ご祝儀貧乏」になったときに? 今までの「急な出費で慌てたとき」の経験をもとに、実際に使うシーンや金額を思い描いて、書き出してみましょう。

そのほかの「いざというとき」として、株式や為替取引などの「買いどき」「売りどき」も考えられますね。最近の相場の上昇もあって、投資を始められた方、再開された方も多いようです。投資は自己資金で行うのが原則ですが、カードローンを利用して、手元に自己資金がなくてもチャンスを逃さずに投資することもできます。カードローンの利息は日割り計算で、随時繰上げ返済もできるので、投資の利益や給料などでまめに返済して、利息負担を抑えることがせっかくの投資利益を減らさないポイントになります。ただし、借りる金額は自己で管理できる範囲におさえることを忘れてはいけません。借り方や繰り上げ返済については、過去のコラムも参考にしてください。

【参考リンク】

利息を計算してみたいときは、シミュレーションをご利用ください。

【参考リンク】

このように、「いざというとき」に使うであろう金額が数万円なのか、たとえば投資資金として数十万円以上の金額が借りられるようにしておきたいのかなどによって、カードローンを申し込む際に希望する利用限度額も決まってきます。ご質問の「収入証明書類」は、利用限度額の多寡によって、必要な場合となくてもよい場合があるのです。

収入証明書類とは

収入証明書類とは、源泉徴収票や確定申告書、住民税決定通知書などを指します。勤続年数が短い場合は、給与明細のコピーなどが必要とされる場合もあります。

ローンの申し込みでは、「安定した収入がある方」が条件のひとつになっているので、「安定した収入があって(滞りなく返済できる)」証拠として、収入証明書類が必要とされているわけですね。

【参考リンク】

一定額以下の利用限度額の場合は、収入証明書類が不要

しかし、多額の借入ならともかく、少額の借入に収入証明書類を用意するのは面倒だ、と感じる人も多いでしょう。そこで、ローンによっては「○万円以下の借入なら、収入証明書類は不要」とされているのです。もちろん、収入証明書類が不要だから審査が行われないというわけではなく、年齢や勤務年数、その他の借入状況など様々な観点から審査されて、「○万円以下の借入なら、滞りなく返済可能だろう」と判断されれば、審査を通り、融資が受けられることになります。

したがって「○万円」という一定額以上の借入を希望するのであれば、同じローンであっても収入証明書類は必要になります。

なお、「収入証明書類が不要」となる「○万円」のラインは金融機関やローンによっても異なります。5つのローンの実質年率や限度額と、収入証明書類の必要・不必要について次の表にまとめてみたので、ご覧ください。

<「収入証明書類」についての記載内容等>
  ジャパンネット銀行(ネットキャッシング) トマト銀行(トマト・カードローン「キューリ」) オリックス銀行(オリックス銀行カードローン) SMBCコンシューマーファイナンス(プロミスのフリーキャッシング) シンキ(なんどでも1週間無利息キャッシング「ノーローン」)
実質年率
2.500%~18.00%
3.000%~14.500%
3.000%~17.800%
6.300%~17.800%
9.500%~18.000%
限度額
10万円~1000万円
10万円~1000万円
10万円~800万円
1万円~300万円
1万円~300万円
審査回答時間
最短1時間
1日程度
最短即日
最短1秒
最短20分
収入証明書類
についての記載
ご利用限度額が200万円超の場合、収入証明書が必要です。
契約金額300万円以下の場合は不要です。
所得証明書類のご提出が必要となるのは、原則、ご利用限度額が100万円超の場合となります。審査の結果、限度額100万円以下の場合でもご提出をお願いする場合があります。
50万円以上のご融資の場合、収入証明書類(源泉徴収票等)が必要です。
50万円を超えるご利用をご希望のお客さまは、源泉徴収票等の所得証明書類が必要です。ご希望金額に関わらず各種証明書等が必要となる場合もございますのであらかじめご了承ください。
会社情報
株式会社ジャパンネット銀行
株式会社トマト銀行
オリックス銀行株式会社
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
貸金業登録番号:関東財務局長(10) 第00615号
シンキ株式会社
貸金業登録番号: 関東財務局長(10)第01188号

※イー・ローンHP掲載の「カードローン」、各ローンの詳細ページから筆者が抜粋して作成
2013年4月25日現在。

貸金業法で規制される消費者金融などは、「自社からの貸付けが50万円を超える貸付けを行う場合か、複数の貸金業者からの貸付合計が100万円を超える貸付けを行う場合には、収入を明らかにする書面の提出が必要」とされています。そのため、消費者金融などのローンでは、収入証明書類が不要なラインは「50万円」になります。

銀行などの金融機関のローンの場合は貸金業法の規制を受けないので、各金融機関・ローン商品ごとの基準によって100万円、200万円といった高めの利用限度額まで収入証明書類が不要なローン商品もあります。

金利や審査スピードなどの面で見ると、概して銀行のローンのほうが低金利ですが、審査スピードは消費者金融系のローンのほうが早いものが多いようです。

時間に余裕があるなら、収入証明書類を準備しておこう

つまり、希望する利用限度額が高くなければ、多くのローンで収入証明書類不要で申込みすることもできます(利用限度額に関わらず、収入証明書類が必要なローンもあります)。高額な利用限度額を希望する場合は、消費者金融系より銀行のカードローンのほうが収入証明書類不要で申込みできるものが多いでしょう。さらに高額な利用限度額を希望するなら、いずれにせよ収入証明書類は必要になります。

ただし、「原則として収入証明書類不要」と書かれていても、審査の結果によっては収入証明書類を求められる場合もあるので注意が必要です。手間や時間を省くつもりで収入証明書類不要のローンに申し込み、審査後にあらためて収入証明書類を提出することになると、結局、時間も手間も余計にかかることになってしまいます。

また、「収入証明書類不要」を重視すると、利用限度額に関わらず収入証明書類が必要なローンもあり、ローンの選択肢は狭まります。ローンは、金利や返済の利便性なども考えて選ぶものです。収入証明書類は不要だからといって、高い金利を負担することは避けたいですよね。

したがって、とにかく早く手間なく借りたい、という場合でなければ、あらかじめ収入証明書類を準備しておいたほうがよいでしょう。多くの選択肢の中から有利なローンを選ぶことができ、手続きもスムーズに進められるのではないでしょうか。

イー・ローンの「ローン比較」の機能を利用すれば、5つのローンまで一覧にして、利用条件や必要書類などの各項目を比較することができます。収入証明書類については、「必要書類」や「ご注意」の欄に詳細が書かれています。ローンによって、申込者の職業等によって、求められる書類が異なる場合もあるので確認しておきましょう。

【参考リンク】

なお、予想外の時期に予想外の金額が必要になる「いざというとき」も、経験を重ねていけば「予想外」ではなくなってくるものです。「交際費」「緊急医療費」「投資資金」などを、毎月の収入の中からある程度はキープして、貯めておきましょう。カードローンで「いざというとき」に備えつつ、ヤリクリのコツもつかんでいけるといいですね。

私が書きました

大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2013年04月25日