第319回
クレカとカードローン、どっちがお得?
- エコポイント制度も始まったことだし、我が家の調子の悪いテレビを買い替えたいと思っています。現金一括払いは難しいのでクレジットカードの利用を考えましたが、電気店のポイント還元率が低くなるのでくやしい気がします。カードローンで現金を借りて購入するのと、クレジットカードで支払うのと、どちらがお得になるでしょうか。どちらの場合でもリボ払いで返済したいと思っています。(神奈川県 K)
- 低金利で借りられれば、カードローンの利用がお得です
地デジ完全移行も近づき、さらにエコポイント制度も始まって、テレビの買い替えを考える方も多いのではないでしょうか?
電機店での買い物は、お店独自のポイントを貯めたり、現金払いで安くしてもらったり、
クレジットカードで支払ってクレジットカードのポイントを貯めたりと、どういう買い方をすればオトクなのか、迷う場合も多いものですよね。
今回は、クレジットカードやカードローンを利用してリボ払いで返済していく場合について、どちらがオトクになるのかをシミュレーションしてみましょう。
カードローンの金利は、利用者の属性によって違いが大きいので3種類で試算してみました。
<設定:A電機店で20万円のテレビを購入する>
A電機店の ポイント制度 |
現金払いで10%、 クレジットカード払いで8%が付与され、次回以降の買い物で、1ポイント1円として利用できる。 |
Bクレジットカード | リボ払いの金利は15%。 毎月15,000円のリボ払い(定額コース)で返済する。 1000円の利用ごとに1ポイントが付与され、1ポイント=5円相当でカタログにある商品と交換できる。 |
Cカードローン | リボ払いの金利は12%。 毎月15,000円のリボ払い(元利込定額返済)で返済する。 |
Dカードローン | リボ払いの金利は15%。 毎月15,000円のリボ払い(元利込定額返済)で返済する。 |
Eカードローン | リボ払いの金利は17.8%。 毎月15,000円のリボ払い(元利込定額返済)で返済する。 |
Bクレジットカード | Cカードローン | Dカードローン | Eカードローン | |
支払方法 | クレジットカードによる支払い | カードローンで借り入れて、現金払い | ||
利用額 | 20万円 | 20万円 | 20万円 | 20万円 |
1.A電機店ポイント | 16,000ポイント (16,000円相当) |
20,000ポイント (20,000円相当) |
20,000ポイント (20,000円相当) |
20,000ポイント (20,000円相当) |
2.Bクレカポイント | 200ポイント(1,000円相当) | |||
3.支払総利息 | 17,577円 | 15,734円 | 20,163円 | 24,490円 |
4.お得額 (1+2)-3 |
-577円 | 4,266円 | -163円 | -4,490円 |
返済回数 | 14回 | 15回 | 15回 | 15回 |
カードローンの金利が、「オトク」の決め手
シミュレーションしてみると、当然といえば当然ですが、低金利のCカードローンで借りて現金払いするのが最も有利となりました。 さらに、Bクレジットカードと同じ15%の金利のDカードローンを利用した場合も、A電機店で現金払いするほうがポイント還元率が高いため、 クレジットカードよりも有利になります。
しかし、金利17.8%のEカードローンの場合は、金利負担の重さが電機店のポイント分を大きく上回り、クレジットカードよりも不利な結果となってしまいました。
収入が高い方や勤続年数が長い方など有利な条件で借り入れできる方なら、クレジットカードを使うよりも、低金利のカードローンで借り入れ、 現金払いで電機店の高いポイント還元を得るほうが有利になります。しかし、カードローンの金利が高ければ、 クレジットカードのほうが有利になることもあるので、買い物をする前にそれぞれの金利を確認し、シミュレーションしておくことが必要です。
「リボ払い」の内容に注意
なお、このシミュレーションでは、BクレジットカードとDカードローンは、同じ15%のリボ払いなのに、 Bクレジットカードのほうが利息負担が少なくなっています。これは、同じ「毎月1万円のリボ払い」であっても、 Bクレジットカードは毎月「元金1万円+利息」を返済し、Dカードローンの場合は毎月「元金+利息合わせて1万円」を返済していく方式であり、 計算のしかたも異なるからです。
今回のテレビ購入の場合も、実はDカードローンをBクレジットカードのように14回払にした場合は、
毎月返済額は15,661円で総利息負担額は19,248円。
Bクレジットカードよりも総利息負担額は多いのですが、
お得額(電機店ポイント-総利息負担額)は652円とプラスになり、Bクレジットカードよりもさらに有利になります。
このように「リボ払い」という表示であっても、計算方式はさまざまあり、「毎月1万円」の意味も商品によって異なります。 同じ金利で借りたとしても、返済回数や毎月の返済額によっても、総利息負担は異なります。 事前に具体的な商品内容を確認し、さまざまな条件でシミュレーションしてみることが大切です。
また、今回は、「リボ払い」に限って試算してみましたが、クレジットカードの一括払い・2回払いなら利息はかかりませんし、 返済回数を減らしたり、毎月返済額を増やしたりできれば、クレジットカードであれ、カードローンであれ、総利息負担額は少なくなります。
さらに、クレジットカードのポイント制度はカードによって異なり、「お得にポイントを貯める方法」も異なります。 ポイント付与率の高い使い方をすれば、カードローンを利用するよりクレジットカード払いのほうが有利になる可能性も増えるでしょう。
返済方法をさまざまにシミュレーションし、クレジットカードのポイントの貯め方も再チェックして、
家計に無理のない「お得」な買い方が見つけられるといいですね。
なお、今回のシミュレーションは仮の設定にもとづくものですので、利用されるお店やクレジットカード、 カードローンのHP等で、金利やポイント制度の仕組み、商品内容などをご確認ください。