第71回

300万円の車のローン返済額は月々いくら?シミュレーションと注意点を解説!

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この記事のポイント
  • 車のローンにおける月々の返済額を、返済期間や頭金の有無に応じてシミュレーションしよう
  • 車のローン以外にかかる初期費用や維持費を正確に把握し、返済計画を立てよう
  • 車のローンの種類とそれぞれのメリット・デメリットを理解し、最適なローン選択をしよう
車の模型、「LOAN」と書かれたブロック、電卓の画像

300万円の車をローンを使って購入する場合、毎月返済額はどの程度になるかご存じでしょうか。
月々のローンの返済額は、最初に入れられる頭金の金額や返済期間の長さ、ボーナス返済の有無、金利などの条件により異なります。初期費用や維持費、車以外の出費も考慮してローンの計画を立てる必要があります。
今回は300万円の車を例に、ローンで購入する際の返済シミュレーションやローンの種類、毎月返済額を抑える方法などをご紹介します。

300万円の車をローンで購入した場合の月々の返済額シミュレーション

300万円の車を、ローンを使って購入した場合、毎月一定額を返済し続ける必要があります。返済額はローンの契約期間や金利、頭金の有無などにより変動します。自分が無理なく返済できるよう、次に紹介するシミュレーションを参考にしてローンの計画を立てましょう。

返済期間別シミュレーション

同じ金額を借りた場合でも、返済期間が違えば毎月返済額や返済総額は変わります。期間が変わることでどのような違いが生まれるのかシミュレーションしてみましょう。

シミュレーションの基準となるローンの条件は以下の通りです。

  • 購入金額:300万円
  • 金利:年2.0%
  • 頭金:なし
  • ボーナス返済:なし
  • 返済方式:元利均等返済

上記の条件で借りたローンは、返済期間の違いにより以下のような差が生まれます。

返済期間 毎月返済額 返済総額
3年 8.6万円 310万円
5年 5.3万円 316万円
7年 3.9万円 322万円
10年 2.8万円 332万円

月々の返済額だけをみると10年のほうが負担は軽減され、魅力的な印象を与えます。しかし、返済総額でみると返済期間3年の場合は310万円になるのに対し、10年の場合は332万円になり、返済総額に22万円もの違いが生じることも考慮する必要があります。

頭金別シミュレーション

ローンを借りる際に意識しておきたいのが頭金です。頭金を入れた分だけローンの借り入れが減ります。ある程度手持ちの資金に余裕があるようなら、頭金を入れておくことも考えましょう。

シミュレーションの基準となるローンの条件は以下の通りです。

  • 購入金額:300万円
  • 金利:年2.0%
  • 借入期間:5年
  • ボーナス返済:なし
  • 返済方式:元利均等返済

上記の条件で借りたローンは、頭金の金額によって以下のような差が生まれます。

頭金 毎月返済額 頭金+返済総額
0円 5.3万円 316万円
30万円 4.8万円 314万円
50万円 4.4万円 313万円
100万円 3.6万円 311万円

頭金の多寡による、返済総額の差は大して変わりませんが、毎月返済額は、頭金を多く支払った方が、毎月の負担は軽減されます。

ボーナス返済別シミュレーション

ローンを組む時、ボーナス月に返済額を増やすボーナス返済有りで契約を結べば、同じ金額を借り入れる場合でも毎月返済額を少なくできます。

シミュレーションの基準となるローンの条件は以下の通りです。

  • 購入金額:300万円
  • 金利:年2.0%
  • 借入期間:5年
  • 頭金:なし
  • ボーナス返済:6月と12月(10万円ずつ加算)
  • 返済方式:元利均等返済

上記の条件で借りたローンは、ボーナス返済の有無によって以下のような差が生まれます。

ボーナス払い 毎月返済額 ボーナス月の返済額 返済総額
有り 3.6万円 13.6万円 316万円
無し 5.3万円 5.3万円 316万円

ボーナス払いの有無による返済総額の差はありません。しかし、毎月返済額の負担を考慮すれば、ボーナス払いを検討するのがおすすめです。

金利別シミュレーション

ローンの返済総額を大きく左右するのが金利です。金利が低い時期にローンを組めば返済総額は低くなり、高い時期に組めば高くなります。では具体的に金利の高低はどの程度ローンの返済額に影響を与えるのでしょうか。

シミュレーションの基準となるローンの条件は以下の通りです。

  • 購入金額:300万円
  • 借入期間:5年
  • ボーナス返済:なし
  • 頭金:なし
  • 返済方式:元利均等返済

上記の条件で借りたローンは、金利の高低によって以下のような差が生まれます。

金利 毎月返済額 返済総額
2.0% 5.3万円 316万円
4.0% 5.6万円 332万円
6.0% 5.8万円 348万円

金利が高くなるほど、毎月返済額が上がり返済総額も大きくなることが分かりました。だから、できるだけ金利が低いローンを組むことが理想と言えるわけです。

300万円の車のローン以外にかかるお金はいくら?

車のローン以外にかかるお金を一覧表にするイラストイメージ

車は本体である車両価格だけでなく、さまざまな費用がかかる商品です。購入時には初期費用がかかるうえ、所有している間は一定のランニングコストも発生し続けます。車を購入する際には必要な費用の全体像を把握し、ローンが生活を圧迫しないような返済計画を立てましょう。ここでは、車のローン以外にかかる費用を解説します。

車両価格の10~20%の初期費用がかかる

車の購入時には、車両代金に加えて「初期費用」がかかります。初期費用は法定費用や諸費用など車の購入時に必要な費用で、一般に車両価格の10~20%程度の費用がかかると言われています。

法定費用
  • 自動車税(種別割、環境性能割)
  • 自動車重量税
  • 自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)
  • 自動車リサイクル費用
諸費用
  • 登録費用
  • 納車費用
  • 車庫証明費用
  • 検査登録手続き費用
  • ナンバープレート代(任意のナンバーを希望する場合)

ローンの種類によっては、初期費用は借入金額に含められないケースもあるので注意が必要です。

月々4万円前後の維持費がかかる

維持費は、車の所有にともない発生し続ける費用です。主な維持費には以下の項目が該当します。

  • 自動車税(種別割)
  • 自動車重量税
  • ガソリン代
  • 車検費用
  • メンテナンス費用
  • 消耗品代
  • 駐車場代
  • 自賠責保険料
  • 任意保険料 など

車のコンディションや車種、使用頻度などにもよりますが一般的に普通自動車では年間で45万円前後、月間で4万円前後の維持費が目安になるといわれています。

車のローンの種類とメリット・デメリット

車の購入に利用できる代表的な4種類のローンと、それぞれのメリット、デメリットを紹介します。

金融機関のマイカーローン

都市銀行や地方銀行、信用金庫などの金融機関が提供しているローンです。金利が低く、ローンを組んだ時点から車の所有権を持てるといったメリットがありますが、他のローンに比べて審査が厳しいといったデメリットもあります。

ディーラーローン

ディーラーローンは、車の販売元であるディーラーが提供するローンです。車を購入したタイミングで申込むことができ、他のローンに比べて審査が通りやすい特徴があります。

一方で、金融機関が提供するローンに比べて金利が高い傾向があります。また、ディーラーローンを完済するまでは車の所有権をディーラーが持つため、返済途中での売却ができない点にも注意が必要です。

残価設定ローン

残価設定ローンはディーラーローンの一種です。ローン完済後に車を売却する価格(残価)を設定し、車の購入価格との差額分を返済する仕組みです。

例えば300万円の車を購入した車の残価が5年後に50万円と算出された場合、組むローンは差額の250万円となります。完済後は車をディーラーに返却するか、残価分を支払って所有権を委譲するか、いずれかを選択できます。

自社ローン

自社ローンは、自動車販売店が独自に提供する分割払いの制度です。他のローンと比べて審査に通りやすいメリットがある一方、保証料や手数料の負担が大きいデメリットがあります。

300万円の車のローン返済額を抑える方法

車のローンは金額が大きい分、家計を圧迫することになりかねません。ここではローンの返済額を抑えるための方法を3つご紹介します。

頭金を用意する

ローンの返済負担を減らすには、頭金を用意して実質的な借入金額を減らすことが有効です。300万円の購入費用に対して仮に50万円の頭金を入れられれば、ローンを250万円に抑えられます。借入金額を抑えれば、その分、利息も減り、返済総額も抑えられます。

金利が低いローンを利用する

同じ金額でローンを組むとしても、金利の違いによって総返済額に差が生まれます。たとえば300万円のローンを組む場合、金利が1%違うだけで返済額は年間1万6000円も変わります。銀行ローンなど金利が低いローンを利用するのがおすすめです。

繰り上げ返済をする

ローンの返済期間中に手持ち資金に余裕が出てきたなら、繰り上げ返済を利用するのがおすすめです。

繰り上げ返済には毎月返済額を変えずに期間を短縮する「期間短縮型」と、返済期間は変えずに毎月返済額を減額する「返済額軽減型」の2種類があります。

なお、ローンの提供元によっては手数料が発生する場合もあるので、確認しておきましょう。

300万円の車をローンで購入する際の注意点

車のローンを利用する前に、知っておくことや準備することがいくつかあります。ここでは、ローンを組む際の主な注意点を3つ紹介します。

借入可能額には限度がある

借入可能額には上限があり、希望額を借り入れできるとは限りません。上限額は、申込者の年収や信用状況に基づいた審査によって決まります。必ずしも希望額が借りられるわけではないので、借入額の計画を立てる際は、自身の経済状況を考慮することが重要です。

個人売買では車のローンが組めない場合が多い

多くの金融機関で、個人売買は車のローンの資金使途対象外としています。取引の妥当性を確認しにくいためです。

個人売買で車を購入する際にローンを組む必要があるなら、用途に制限がない「フリーローン」や「カードローン」の利用を検討しましょう。

車以外のローンや出費も考慮して返済計画を立てる

生活する上で様々な出費があります。車のローンを組む際は、他のローンの返済額や出費なども考慮することが大切です。

特に住宅ローンを利用している場合や、近い将来利用する予定がある場合などは総合的な返済計画をたてることが重要です。

車のローンを利用する流れ

車のローン利用をする5つの流れを表現するイメージ画像

車のローンの種類は複数ありますが、基本的な手続きの流れは同じです。
次に紹介する流れを参考に契約手続きを進めましょう。

1.車の販売店に行き見積もりを依頼する

購入したい車の候補を絞ったら、まずは車の販売店に行き、見積もりを出してもらいます。そのとき返済シミュレーションを行なってもらい、返済に無理がないかを確認して、借り入れの希望条件を決めます。

2.仮審査を申込む

返済に無理がないことを確認したら、ローンの利用先を決め、仮審査を申込みます。マイカーローンを利用する場合はWebや窓口で、ディーラーローンは販売店で申込みます。ローンの種類によっては仮審査がないケースもあるため利用するローンが決まったらローンの申込要件などを確認しておきましょう。

仮審査では年収や職業、勤続年数などのチェックが行なわれます。金融機関によっては、このタイミングで源泉徴収票など審査用の書類提出が必要なケースもあります。

3.本審査を申込む

仮審査を通過したら本審査を申込みます。本審査では免許証、マイナンバーカード、自動車の注文書、源泉徴収票、納税証明書など本人確認書類や使途を確認する書類などを用意する必要があります。

書類は店頭に持参するほか、郵送、Webアプリなどを利用してアップロードなどの方法で提出します。審査結果は、電話やメールなどで通知されます。

4.契約する

本審査に通過したなら、いよいよローンの契約です。契約時にはローンで購入する車の見積書や注文書の提出が求められる場合がありますので、すぐに準備できるようにあらかじめ用意しておきましょう。

なお、契約には有効期限があるので、早めに手続きを行いましょう。

5.融資の実行

契約が成立すると、実行日に自身の口座に借入金が入金され、同時に支払先に振込する手続きが行なわれます。多くの場合、振込手数料はローンの利用者が負担します。利用するローンによっては振り込まれたお金を自身で販売店に持参するか、振り込む必要があるので注意をしましょう。

まとめ

車を購入する方の多くは、ローンを利用して資金を用意します。これまで述べてきたことを簡単に復習しておきましょう。車のローンは大きく分けて4つの種類があり、それぞれ審査基準や金利、所有権の有無などが異なります。

また、返済額は契約時の条件によって異なります。もし毎月返済が厳しくなることが予想されるなら、頭金の用意や低金利ローンの利用、余裕があるときの繰り上げ返済などを利用し、負担を軽減できるような返済計画を立てましょう。

ローンを利用した車の購入について、もっと知りたい方は、ぜひこちらのページもご覧ください。

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ライター紹介

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手塚 裕之 (てづか・ひろゆき)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

都内ゲーム会社に12年勤務後、2018年12月にフリーライターとして独立。個人事業主としての開業を機に、金融・年金・不動産などのFP領域への関心を深める。毎年iDeCoと小規模企業共済の掛金を増額中。好きなものはふるさと納税。

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