第111回
住宅ローンで叶った「可愛い」が詰まった家。見ているだけでも幸せです。
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「せっかく建てるなら、とびきり可愛い家にしたい!」。埼玉県にお住まいのるなはーとさんは、住宅ローンを使って、自分の夢と理想を細部まで叶えた注文住宅を建てました。どのような家ができあがったのでしょうか。
オーナーさんデータ
埼玉県 るなはーとさん(仮名)
- 家族構成:
- るなはーとさん(51歳・会社員)、夫(59歳・自営業)、長女(28歳・会社員)
- 建設時の世帯年収:
- 約1,200万円(長女のみで500~600万円)
- 購入した住宅:
- 中堅ハウスメーカー「注文住宅」
- 延床面積と間取り:
- 約40坪。3LDK+納戸+小屋裏部屋+ランドリールーム
- 購入価格 :
- 3,700万円(建物解体、地盤改良、外構など付帯工事込み)
- 利用ローン:
- 三井住友信託銀行「住宅ローン」
- 金利タイプ:
- 変動金利型
- 金利:
- 0.865%(2022年2月実行)
- ローン借入金額 :
- 3,500万円
- 借入期間:
- 35年
- 毎月の返済額:
- 9万7,000円
- きらめくスワロフスキーのシャンデリア、フェミニンなドレッサーにマントルピース、ゴージャスなバルーンシェイドのカーテン──。るなはーとさんのお部屋は、ヨーロッパのお城のような世界が広がっています。
- るなはーと
- 私の部屋だけでなく、リビングもトイレも階段も、私と娘の考える「ザ・可愛い家」を細部まで追い求めました。新居が完成してから半年が経ちましたが、今も毎日、家の中を見回しているだけで幸せな気持ちになれます。
リビング・ダイニング。
スワロフスキーのクリスタルを使ったペンダントライトやジャガード織の柄物カーテンなどが、
上質な空間を生み出している一目ぼれした玄関はYKK ap ヴェナートD30 E05。
鳥のモチーフが家の随所にあり、ここでも外灯を鳥かご風に2階の洗面所。
IKEAの洗面台からスワロフスキーのクリスタルを使ったペンダントライト、
ミラー、タオルハンガーまですべて施主支給。クロスもエレガント- るなはーとさんが注文住宅を建てることを決めたのは2020年。きっかけは、離れて暮らしていた長女から「私が住宅ローンを組むから、家を建てて一緒に住もう」と提案を受けたことです。
- るなはーと
- 娘は結婚や出産に関心がなく、生まれ育った埼玉県に生涯住める家を持ちたいと考えたようです。そこで、私が両親から相続した築50年以上の家を取り壊し、その土地に、私と夫と長女の3人で住む家を建てることにしました。
- 住宅ローンの名義を私にすることも考えましたが、今後の相続などを考え、当初の提案通り、娘が施主となって住宅ローンも組むことにしました。
- るなはーとさんと長女、二人の願いは、「とにかく可愛い家をつくりたい」。ハウスメーカーを9社まわって選定し、インテリアコーディネーターの助言も受けながら、理想を形にしていきました。
- るなはーと
- 「部屋の出入り口はドアを付けなくていいので、アーチ状にしたい」「スイッチニッチ(壁面をくぼませたスペース)は真四角ではなくハウス型にしてほしい」「ここだけはどうしても丸窓にしたい」。
- すべての部屋に関して細かく要望を伝えていきました。
- なかでも、私たちの家の特徴は、部屋や洗面所などの壁紙をほとんどすべて違うものを使っていることです。それぞれの部屋を理想の雰囲気にしようとすると、どうしても壁紙も変えることが必要だったのです。
- ニッチに使ったアクセントクロスも合わせると、使った壁紙は27~28種類にもなってしまいました。しかも壁紙は柄物ばかりです。ハウスメーカーの方たちにはあきれられました(笑)。
- 確かに「シンプルが一番。柄物は飽きる」とよく言われます。でも、先々のことを考えて無難なものを選びたくはありません。飽きたら張り替えれば良いと思うのです。
1階のトイレは全面柄物の壁紙にした。
2階のトイレはまったく別の壁紙を使っている- 施主支給したものも多く、複数の部屋で使ったシャンデリアはもちろん、洗面台もメーカー標準ではなく、自分たちで揃えました。階段のロートアルミ(昔からある熱した鉄を叩き形を作るロートアイアンの手法を、アルミ材で製造したもの。鉄よりも軽い)の手すりは特注でつくっていただきました。家族には「ここまで課金するの」とあきれられましたが、後悔したくありませんからね。
階段の手すりは特注で頼んだロートアルミ。
階段下はルンバスペースとなり、実用性もある上つり棚を作らず、広く見えるようにしたキッチン。
冷蔵庫も見えない位置に配置- 「可愛い」を突き詰める一方で、暮らしやすさにも気を配りました。
- るなはーと
- 実は、私は再婚していまして、今の夫と娘は血のつながりがありません。家族の団らんよりも、自室で過ごす時間が多いと想定し、リビングはそれほど広く取らず、各自の部屋を広めにとる間取りにしました。とくに娘の部屋は広く、11.5畳の居室にウォークインクローゼットが3畳、収納1畳。ここだけまるでモデルルームです(笑)。
長女の部屋は、タイルで作ったアーチがポイント。
入口からベッドスペースが見えないよう、設計当初からIKEAの収納付きベッドを配置することを想定した- 家を建てるまでのコストはかけましたが、長く住む娘のことを考え、住んだ後のランニングコストを下げる工夫をしました。
- ハウスメーカーを選ぶときには、メンテナンス費用を抑えられるタイル外壁・瓦屋根を標準にしていることを条件にしましたし、光熱費を抑えるために、断熱性の高い2×6構造を選び、窓の断熱性にもこだわりました。
- 防水処理のメンテナンスが必要になるバルコニーは作らず、ランドリールームを設置しました。
- 新居では、家族がそれぞれの時間を楽しみながら、ゆったりと過ごしています。
- るなはーと
- 我が家の希望した間取りは特殊すぎて、建て売りでは決してできないものでした。注文住宅にしたことで、細部まで希望通りの家に仕上がり、とても満足度が高いです。
- 費用面は建物だけで3,400万円に達しましたが、我が家のすぐ近くの建売住宅が5,000万円前後することを考えると、これだけこだわって、わがままをたくさんした割には、安く済んだと感じています。
- 娘も一人暮らしをしていたときよりも精神的に安心感があるようで、おおらかになりました。
- ローン借入金額は3,500万円。三井住友信託銀行「住宅ローン」を選びました。
- るなはーと
- 娘が転職したばかりで、仮審査のときにまだ入社7か月。住宅ローンを組めるか心配していました。
- 最初はフラット35を考えていましたが、ハウスメーカーの方から、「長女様が専門職のため、もう少し低金利のローンを借りられるのではないか」と言われ、いくつかの金融機関で仮審査を受けてみました。
- ある金融機関では、「若い女性が住宅ローンを組む場合、結婚や出産により年収が下がるリスクがある」と指摘され、希望額より700万円もダウンした金額を提示されましたが、三井住友信託銀行が希望額よりも100万円ダウンで了承してくれたので、契約しました。
- 今回は住宅ローンを組むことを最優先にしましたが、今後の状況によっては借り換えも視野に入れています。
- 住宅ローンを組むにあたっては、将来、娘の収入だけで返済できるか心配だったので、ファイナンシャルプランナーにも相談しました。最初は、返済期間を減らすことを考えていたのですが、期間はそのままにして、返済金額を減らす方法もあると知り、その方法であれば娘の負担を減らせると安心できました。
- 結びに、るなはーとさんのように、理想通りの家を建てたい人へのメッセージを伺いました。
- るなはーと
- 予定がまったくなかったのに、急遽家を建てることになり、心配な部分も少なくありませんでした。
- でも、結果的に、建材や住宅設備の値上げラッシュ前に家を建てることができ、良いタイミングだったと感じています。現在、同じ家を建てようとすると、建物だけでも300万円以上は高くなるようです。
- 家づくりは大きな買い物なので、入念な準備が必要です。一方で、勢いとタイミングも大切だと感じました。
ライターからのコメント。
とても可愛いご自宅ですね。壁紙をたくさん使ったり入り口をアーチ状に加工したりすると、追加料金が発生するため、迷った末に断念する方も多いようですが、住宅は一生の買い物。後悔のない選択をしたいものです。
住宅ローンも、金融機関によって金利などの条件がまったく異なる場合があり、「もっと慎重に選べば好条件の住宅ローンを組めたのに」と後悔することがあります。るなはーとさんのように複数の金融機関で仮審査を受けてみると良いでしょう。
参考リンク
※今回ご協力いただいたるなはーとさんのブログ「娘と一緒に建てる家」のURLは https://ameblo.jp/lunahart/
ライター紹介
東京生まれ。成蹊大学文学部日本文学科卒業。
法律事務所で社会人生活をスタートした後、女性向けエンタメ系サイトのライター兼ディレクター、モバイルゲームの運営、女性向けモバイルゲームのシナリオディレクター、シナリオライターを経験。
妊娠、出産を機に2016年からフリーライターとして活動開始。
企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン