第507回
クルマを買う余裕がない時は、どうすればいいの?
- 先日成人式を迎えた20歳です。マイカーを持ちたいと思っているのですが、同じ世代の人たちは、マイカーを持つことについてどう考えているのでしょうか?そして、マイカーを持ちたいときは、どんな点に注意すればいいか教えてください。(A.Kさん 20歳 会社員)
- 今年の新成人は、車に興味はあるものの、持つ余裕はないと感じているようです。でも、カーライフの楽しみ方は、クルマを買う以外にも、いろいろな選択肢があります。まずは、どんな選択肢があるか、ポイントを押えておいてください。その上で、購入を選択する場合は、自動車ローンも含めて、かかるお金をなるべく安くするよう心がけましょう。
「クルマは欲しい」けど「お金がない」
新成人おめでとうございます。マイカーの購入について検討しているみたいですね。まずは、ご相談者であるA.Kさんと同じ世代の車に関する意識について、ソニー損保が行った『新成人のカーライフ意識調査2013』で見てみましょう。
「若者の車離れ」と言われて久しいですが、「自分はあてはまらない」が「あてはまる」を上回りました。(全くあてはまらない、あまりあてはまらないの合計41.4%に対して、とてもあてはまる、ややあてはまるの合計32.6%)
そして、約50%の新成人が「車に興味がある」と答えた一方、約74%は「車を所有する余裕はない」と回答しています。車に興味はあり、持ちたいとも思っていますが、持つ余裕はないのが現実のようです。
もし、カーライフを送るにあたって月いくらまでなら維持費(維持費)をかけられるかを聞いたところ、約55%が「月1万円以内」と考えています。また、運転免許証保有者と取得予定者に車の購入予算の条件を聞いたところ、上限は「100万円以内」と答えた人が約63%でした。
新成人に人気のある車は、昨年に続いてキューブ(日産)が1位ですが、キューブを新車で購入するとグレードによって「約150万円~約240万円」かかります。また、車の維持費として、各種税金、駐車場代、車検費用、メンテナンス料、自動車保険料、ガソリン代など、月平均で「6万円~7万円」はかかります。若者が想定している購入金額や維持費には大幅なギャップがあることがわかりました。
カーライフはいろいろ。「買う」「借りる」を検討しよう!
カーライフというと、若い方は、購入することををまず思い浮かべるでしょう。しかし、車の購入代金に加えて、先ほど挙げた維持費がかかり、費用は全て自分で用意することになります。しかし、最近では、車との付き合い方によって、さまざまな利用方法が提供されるようになっています。マイカーに近い形で利用するならば、オートリース、必要な時間だけ借りるならば、レンタカーやカーシェアリングが例として挙げられます。
オートリースは、一定の使用期間と予想走行距離を設定し、その間だけ車を借りるシステムで、車を所有しているのと同じ使い方ができます。車の維持費も含めてリース料を決めるプランなら、リース料+ガソリン代+駐車場代を負担するだけです。
レンタカーは、必要なときだけ借りて、車種のグレードに応じたレンタル料、免責補償料(任意)、スタッドレスタイヤなどのオプション料金(任意)、そして、ガソリン代を負担すれば利用できますが、レンタル料は「6時間まで」からとなっており、宿泊する旅行には向いていますが、ちょっとした利用には割高になってしまう可能性があります。
カーシェアリングは、レンタカーと似ていますが、10分・15分単位などの短い時間で借りられるので、ちょっとしか乗らないときには便利なシステムです。事業会社に会員登録をしておけば、所定の駐車場に置いてあるカーシェアリング用の自動車を利用することができます。かかる維持費は、初期費用(入会金、登録手数料など)以外に、月額利用料金と借りた時間と走った距離に応じた料金です。比較的、新しいシステムのせいか、約63%の新成人は知りませんでした。
このように、車との付き合い方にはいろいろあります。自分が車に使えるお金、そして、車を持つことにこだわるかどうかの価値観を鑑みて、付き合い方を選択してください。
【参考リンク】
初めて買うマイカーは、維持費パフォーマンス重視で!
いかがでしたでしょうか?いくつかの選択肢の中で、車を持つこと決めたら、購入費用、維持費はなるべく抑えられる車を選ぶことをおすすめします。運転経験が浅いうちは、ぶつけてしまうこともあると思いますから、まずは維持費パフォーマンス重視で、楽しく乗って運転に慣れることを重視すればいいと思います。例えば、車の大きさや新車にこだわらないで選ぶ、あるいは、税金や自動車保険料、ガソリン代などが安く済む燃費の良い車を選ぶなど。ネットでいろいろ調べてみましょうね。
また、マイカーを購入する際、自動車ローンを利用する人は、ローン選びも大切。自動車ローンはディーラーで扱っているものだけでなく、銀行や信用金庫、ノンバンク、信販会社などで扱っているものも検討してみてください。
借入の鉄則は、できるだけ、借りる金額を少なくすること、金利の低いローンを選ぶこと、返済期間は短くすることです。まず、頭金になる貯蓄をなるべく多く貯めましょう。