第316回
エコカー優遇で、おトクに車を買い替えよう!
- 以前から、ハイブリッド自動車に乗り換えたいと思っていました。今なら、エコカー減税などで、おトクに買い替えできると聞いたのですが…?(N.Kさん 28歳・会社員)
- 平成21年4月より、環境対応車(国土交通省の基準に適合した環境にやさしい車)の購入時の税負担が軽減される「エコカー減税」がスタートしており、さらに、4月上旬には、補助金が支給される買い替え支援策を盛り込んだ追加経済対策も発表され、現在国会審議中。まさに、エコカーの購入・買い替えには絶好のタイミングといえるでしょう。
「エコカー優遇制度」とは?
平成21年4月より実施されている「エコカー減税(環境対応車普及促進税制)」とは、環境性能が優れた新車を購入した場合、 それにかかる自動車取得税(以下「取得税」)と自動車重量税(以下、「重量税」)を軽減するというもの。 それぞれ、環境性能に応じて、「100%」「75%」「50%」の免除幅が設けられています。
なお、自動車にかかる税金や平成21年4月からの自動車税制については、 こちらのFPアドバイス(第306回)もご参照ください。
さらに、異例の追加経済対策として、車を買い替える際に補助金を出す「スクラップ・インセンティブ」という制度が盛り込まれています。
これは、登録(発売)して13年超の普通・小型車の場合25万円、軽自動車の場合12.5万円など、条件に応じて一定の補助金が出るというものです。
次表に、主な内容など概要をまとめてみました。
■エコカー優遇制度の概要
対象 | 内容 | 主な車種等 | 実施時期 | |
エコカー減税 |
電気自動車・ハイブリッド自動車など | 取得税と重量税を全額免除 | プリウス、インサイトなど | 平成21年4月1日から3年間適用* |
排出ガス性能4つ星かつ平成22年度燃費基準値25%以上達成車 | 取得税と重量税それぞれ75%軽減 | 主に小型車、軽自動車、新型車などの一部モデル(ワゴンR、フィットなど) | ||
排出ガス性能4つ星かつ平成22年度燃費基準値25%以上達成車 | 取得税と重量税それぞれ50%軽減 | 各社の主要モデルの多く | ||
追加経済対策 |
登録13年超の車を廃車にし、平成22年度燃費基準値を満たす車を購入した場合 | 普通・小型車25万円、軽自動車12.5万円を補助 | 登録13年超の車は国内約1,000万台で、ほとんどの新車はこの燃費基準値を達成済み | 国会審議後、4月10日にさかのぼって1年間適用 |
排出ガス性能4つ星かつ平成22年度燃費基準値15%以上達成車 | 普通・小型車10万円、軽自動車5万円を補助 | 各社の主要モデル(新車の約4割が該当) |
*自動車取得税は平成24年3月31日まで、自動車重量税は平成24年4月30日まで。
新型プリウスも40万円以上おトクに!
では、どれくらいの軽減効果があるのか、5月中旬発売予定のトヨタ「新型プリウス」で計算してみましょう。
例えば、車両価格(消費税抜き)227万円のプリウスSの場合、それぞれ取得税と重量税は100%免除されますので、
減税額は約15万8,800円(取得税が約102,100円、重量税が約56,700円)となります。その上、現在の車を廃車にして25万円の補助金を受け、
プリウスに買い替えれば、40万円以上も優遇が受けられることになります。
適用時期や手続き方法などには注意が必要!
実は、このようなエコカーに対する優遇制度は、「自動車グリーン化税制」のように、以前から実施されていました。 しかし、いずれも適用期限が決められている時限措置ばかり。 気がつけば、メリットが享受できる期間を過ぎていたなんてことにもなりかねないので、新車購入を検討している人は、購入時期に注意しましょう。
また、追加経済対策についても、実際に補助金が支給されるのは、法案の国会審議を経てからで、補助金の申請方法などの詳細はまだ決定されていません。 今後のニュースや新聞などは、こまめにチェックしておくことが必要です。