第1062回
マイカーローンを利用時は、審査結果の有効期間に注意しよう
- 車の購入を考えています。銀行のマイカーローンを利用するつもりですが、どのくらい借りられるかが心配です。早めに申込んでもよいのでしょうか。(高知県Kさん)
- 購入前にマイカーローンの仮審査を受けて、希望額の借り入れが可能なのかを確認しておけば、資金計画が立てやすいでしょう。ただし、審査結果には有効期限があるので、注意が必要です。
車関係の支払いに利用できるマイカーローン
銀行などの金融機関の提供する「マイカーローン(オートローン、自動車ローン等名称は様々)」とは、車やその関連の資金調達を目的として利用できるローンです。車の購入だけでなく、車検や修理等も用途にできるものもあります。
多くのマイカーローンは、簡易な仮審査を経て本審査に進む流れを取っています。仮審査(事前審査)は購入する車を決める前に申込むことができるローンもあるので、希望する車の購入資金が準備可能かどうか目安を付けることができ、資金計画が立てやすくなるでしょう。
マイカーローンの利用の流れの例
- 仮審査申込み
- 仮審査
- 仮審査結果の通知
- 本審査申込み
- 本審査
- 本審査結果の通知・契約案内
- 契約手続き
- 融資実行
なお、車を購入するために利用できるローンには、ディーラー(車の販売店)の提供するディーラーローンもあります。ディーラーローンは車の購入と一緒に販売店等で手続きができるため便利ですが、マイカーローンよりも金利は高めの傾向にあります。また、ディーラーローンは一般に、提携する信販会社が購入者に代わって車の代金を支払い、購入者は信販会社に代金を返済していく仕組みです。そのため、ローン利用中の車の所有者は、車の購入者ではなく信販会社やディーラーとなります。したがって、ディーラーローンの返済中に手放したり、他の車に買い替えたりする場合は、所有権の解除の手続きが必要になります。
あらかじめマイカーローンの仮審査を受けて条件を確かめておけば、ディーラーローンの条件と比較して、有利な方を選ぶこともできますね。
「返せる金額」から試算して、借入計画を立てる
車の購入にローンを利用されるなら、まず、毎月いくらなら無理なく返済できるか、どれくらいの期間で返済するつもりかを考えて、借入計画を立てましょう。イー・ローンのような比較サイトにあるシミュレーション機能を利用して、借り入れを希望している金融機関のローンの金利で、「毎月返済可能額」から借入金額を試算してみてはどうでしょうか。希望する車種が決まっているのであれば、その代金をローンで支払った場合の返済負担はどの程度なのか、「借入希望額」から試算してみるのもよいでしょう。
さまざまな観点から試算してみて、無理のない毎月返済額や借入希望額を設定してから、ローンの仮審査に申込むとよいでしょう。
仮審査を受けて、具体的な資金計画を
仮審査は、申込者の返済能力を簡易に確認するための審査です。ローンを扱う金融機関のホームページから申込むことができ、必要な情報(借入希望額、返済期間、収入の情報、車の情報等)を入力すれば、即日審査結果がわかる金融機関もあります。仮審査を通過しても、必ずしも本審査を通過できるとは限りませんが、資金調達の目安がつけられるのは心強いでしょう。
仮審査を通過したら、審査結果の有効期間内(3か月程度が多い)に本審査へ進めます。その際には、収入を証明する書類、車の注文内容がわかる書類などの提出が必要になり、より詳しく返済能力などが審査されます。本審査を通過したら、契約手続きを行います。一般的には納車日に合わせて融資を受けます。
審査結果の有効期間に注意
審査結果の有効期間は3カ月から6カ月というローンが多いようです。基本的には、納車日に合わせて融資を受けるには十分な期間でしょう。しかし、納車までに長期間かかるような場合は注意が必要です。現在は多くの車種で、自動車の部品不足や社会情勢の影響などによる納車遅れが発生しているようです。もし審査結果の有効期間内に融資を受けられなければ、再度審査が必要になります。その間に他の借り入れを増やしたり、既存の借り入れで延滞したりするなど審査結果に影響を及ぼすようなことのないように注意しましょう。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。
大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。
※執筆日:2024年01月16日