第19回
低金利なマイカーローン(自動車ローン)で知っておきたいポイント!ディーラーローンとの違い
- マイカーローン(自動車ローン)とは
- 低金利ならマイカーローン(自動車ローン)?ディーラーローンとの違い
- 低金利なマイカーローン(自動車ローン)の選び方
- まとめ
- マイカーローンの総合ランキング
2019年10月の消費税増税に伴い、自動車関連の諸税が改正されました。それに合わせて車の買い換えを検討している人も多いのではないでしょうか。とはいえ、最近生産されている車は環境性能や機能が高い車が多く、自動車の本体価格も高くなっているためローンを利用する人も多いようです。金利はもちろん、利用するローンによってメリット・デメリットが異なるため、マイカーローン(自動車ローン)を利用するときは、事前に確認しておきたいポイントを知り、最適なローンを選択できるようにしましょう。
マイカーローン(自動車ローン)とは
マイカーローン(自動車ローン)は、使い道を自動車や自動二輪車(バイク)の購入資金および諸費用・オプション代金などの自動車を購入するときにかかる付帯経費に限定しているローンです。マイカーローン(自動車ローン)を取り扱う機関によっては自動車の購入資金以外にも、保険、車検、修理、車庫建設、免許取得費用というように使い道を広くしているところもあります。
マイカーローン(自動車ローン)の種類
ひとくちにマイカーローン(自動車ローン)といっても、ローンを取り扱う機関(企業)によって、大きく次の2種類に分けられます。
- マイカーローン(自動車ローン)
銀行や信用金庫に代表される金融機関が取り扱う自動車関連のローンを「マイカーローン(自動車ローン)」または「カーライフローン」といいます。新車はもちろん中古車の購入に関する費用にも利用可能です。また、他のマイカーローン(自動車ローン)の借り換えとしても利用可能とする金融機関もあります。 - ディーラーローン
車を購入した販売店(ディーラー)で申込みできるローンを「ディーラーローン」といいます。トヨタファイナンスやホンダファイナンスといった自動車メーカー系列の信販会社やディーラーが提携している信販会社がローンの貸付会社となるのが一般的です。
低金利ならマイカーローン(自動車ローン)?ディーラーローンとの違い
ローン取扱業者の違いによって2種類のマイカーローン(自動車ローン)があることが理解できたでしょうか。次に、「マイカーローン(自動車ローン)」と「ディーラーローン」の違いを見てみましょう。
マイカーローン(自動車ローン)とディーラーローンの違い
似ているようで異なる点もたくさんあるマイカーローン(自動車ローン)とディーラーローン。2者の一般的な違いを表にまとめましたので比較してみましょう。
一般的なマイカーローン(自動車ローン) | 一般的なディーラーローン | |
---|---|---|
金利 |
・金融機関によって異なりますが、
年1.2%~4%程度のところが多い ・同一金融機関で住宅ローン等、他の借り入れがある場合は金利の割引があるケースもあり |
・年3.5%~9%程度が標準とされている
・新車・中古、車種、販売店により金利設定が異なるのが一般的 |
保証料(手数料) |
なし(金利に含まれる)が多い
|
・ディーラーによって、クレジット手数料がかかる
・手数料は新車・中古、車種、販売店により設定が異なるのが一般的 |
残価設定 |
・基本的になし(残価設定型ローンを取り扱う銀行もあり)
|
・あり
あらかじめ残存価値(下取り価格)を差し引いたうえで借入額を設定するため、走行距離や原状回復義務等の制限がある場合がある |
自動車の所有権 |
本人
|
(完済するまでは)販売店
|
申込み |
・金融機関(銀行、信用金庫、JA等)
・Web申込みを取り扱う金融機関も多い |
自動車販売店
|
審査の早さ |
・遅め
金融機関によって異なりますが、申込みから借り入れまで最短8日~10日程度 |
・早め
購入する車自体を担保にして借り入れをするため、比較的審査が早く通りやすい |
申込書類 |
・本人確認書類(運転免許証等)
・使い道を確認できる書類(車の見積書、契約書等) ・収入確認書類(源泉徴収票等) |
・本人確認書類(運転免許証等)
収入証明等は不要な場合が多い |
マイカーローン(自動車ローン)を選ぶメリット
上の表でマイカーローン(自動車ローン)とディーラーローンの違いを説明しましたが、購入する車はもちろん借り入れの緊急性など、個々の事情によってどちらを選ぶのが良いかは異なります。メリットとデメリットを知って計画的に利用することが大切です。
- ディーラーローンと比べて低金利
一般的にマイカーローン(自動車ローン)のほうが低金利のものが多いことが一番のメリットといえるでしょう。借入額や借入期間が同じなら、金利が低いほうが支払う利息が少なくなります。また、同じ金融機関で既に住宅ローンやカードローンを利用していたり、給与振込口座があったりする場合、従来提示している金利よりもさらに引き下げられる場合もあります。 - 車の名義(所有権)が本人になる
マイカーローン(自動車ローン)とディーラーローンの大きな違いに自動車の「所有権」があります。マイカーローン(自動車ローン)では、買った車を担保として提供する必要はなく、ローン返済中も車の購入者自身が所有者です。対して、ディーラーローンでは完済するまで所有権は販売店のものです。もしも返済途中で車の売却の必要性が生じた場合、残債を一括返済することが必要になります。 - 繰り上げ返済で利息を節約することも可能
繰り上げ返済(借入残高の一括返済)をすれば、予定していた支払利息を節約することができるメリットがあります。ただし、繰り上げ返済する際に金融機関によって手数料がかかる場合とかからない場合がありますのでローン選びの際に事前に確認しておきましょう。注意:ディーラーローンのアドオン金利という金利方式によるデメリット
マイカーローン(自動車ローン)では、元金に金利をかけて毎回の返済額を算出する残債方式を使用するのに対し、ディーラーローンではアドオン方式を使用するのが一般的です。両者では計算方法が違うことに注意しましょう。
アドオン方式とは、あらかじめ借入金額に対して期間と所定の利率をかけて利息額を算出し、元金と利息を合わせた金額を分割した回数で割って毎回の返済額を決める金利計算方法です。たとえば、200万円をアドオン金利6%で借り、5年(60回)で返済すると仮定した場合、利息および毎月の返済額の計算は次のようになります。
利息の総額:200万円×6%=12万円
返済総額:200万円(借入額)+12万円(利息総額)=212万円
毎月の返済額:212万円÷60回=約3.5万円通常通り返済している間は、特に気にすることがない人も多いかもしれません。しかし、実は計算過程を見てもわかるように毎回の支払額にすでに利息分が含まれています。つまり、アドオン方式で借り入れしている場合で繰り上げ返済するときは、残回数分を支払うことになりますが、利息分を含めて支払うことになるため利息の節約効果は期待できません。
- 残価設定のリスクが少ない
ディーラーローンに多い残価設定時のリスクが少ないことは、マイカーローン(自動車ローン)のメリットといえるでしょう。残価設定とは、返済が終わる3年~5年後の車の価値(残価)をあらかじめ決めておき、その残価分を差し引いた残りの金額を分割で返済する方法です。残価とは車を売るときの下取り価格と考えるとわかりやすいでしょう。あらかじめ下取り価格を設定されているということは、返済期間中の走行距離を制限されているのが通常です。
万一、走行距離をオーバーした場合や車体に損傷がある場合などは返済期間終了後に下取り価格との差額を支払わなければいけません。この場合、当初予定していた返済総額よりも多く支払わなければならないことになります。
マイカーローン(自動車ローン)を選ぶデメリット
一方で、マイカーローン(自動車ローン)にもデメリットがあります。ディーラーローンと比べ、審査が遅いのが一般的です。ディーラーのキャンペーンでは割引期間が限定されているケースがほとんどですが、割引期限がギリギリに迫っているのに審査が遅く、借り入れが間に合わずにキャンペーン価格で買えなかったということもあります。
低金利だとどれ位お得?マイカーローン(自動車ローン)のシミュレーション
具体的にマイカーローン(自動車ローン)とディーラーローンの一般的な金利をもとにシミュレーションし、返済額の比較をしてみましょう。
借入金額は200万円、返済回数は60回(元利均等払い)、ボーナス月の増額はないものとします。
マイカーローン(自動車ローン) | ディーラーローン | |
---|---|---|
借入金額 |
200万円
|
200万円
|
金利 |
1.2%
|
3.5%
|
返済回数 |
60回
|
60回
|
利息 |
61,599円
|
183,008円
|
返済月額 |
34,360円
34,361円(最終月) |
41 ,308円(初回)
36,300円 |
返済総額 |
2,061,599円
|
2,183,008円
|
※マイカーローン(自動車ローン)のシミュレーションは、「イー・ローン」の返済シミュレーションを使用
※ディーラーローンは「日産フィナンシャルサービス」のクレジットシミュレーションを使用
低金利のマイカーローン(自動車ローン)のほうが、返済総額が少なくなることは容易に想像できるでしょう。上記の例では金利差が約3倍となっていますが、それに比例してトータルで支払う利息も約3倍になっていることを確認していただけたのではないでしょうか。
低金利なマイカーローン(自動車ローン)の選び方
それでは、低金利なマイカーローン(自動車ローン)の選び方について見ていきましょう。
より一層低金利でお得になるローンを選ぶために、表示されている金利の数字以外にも次のポイントに注意してみましょう。
- 固定金利を選ぶか、変動金利を選ぶか
マイカーローン(自動車ローン)にも固定金利または変動金利の金利タイプがあります。固定金利は、借入期間中ずっと金利が変わらず毎月の返済額が変わりません。変動金利は、一般的に借り入れ当初は固定金利よりも金利が低く設定されているものの、景気動向によっては返済期間中に金利が上がるリスクがあります。
借入期間が長くなるほど金利変動リスクが高まるため、3年~5年程度の短めの期間での景気動向を考えて、金利が急激に上がる可能性は少ないと判断すれば契約時の金利が低い変動金利で借りるのがいいでしょう。金融機関によっては、固定金利のみ取り扱いしているところもありますので、申込み前にきちんと確認しておきましょう。 - 保証料等の有無を確認
自動車をローンで購入しようとしている場合は、金利(利息)ばかりに意識が行きがちです。しかし、保証料や繰上返済手数料などその他の費用を含めてトータルで判断することが必要になります。マイカーローン(自動車ローン)では、保証料が金利に含まれているところが多いですが、保証料別としている金融機関もあるため、注意しておきましょう。また、ローン契約時に収入印紙代が必要になったり、振込手数料が自己負担であったりする金融機関もあります。申込み前にきちんと確認しておきましょう。
まとめ
自動車を購入するときのローンには、金融機関が提供しているマイカーローン(自動車ローン)や車を購入した販売店(ディーラー)で申込みできるディーラーローンがあります。それぞれ仕組みや金利設定方法が違うため、それぞれの特徴やメリット・デメリットを知って自分に適するほうを選ぶことが大切です。
できるだけお得に借り入れするためにも、さまざまな金融機関のマイカーローン(自動車ローン)を確認してみましょう。イー・ローンではマイカーローン(自動車ローン)のランキングを発表しています。総合的なランキングをはじめ、実質年率、アクセス数、申込数でランキングを確認することができます。マイカーローン(自動車ローン)を検討中の方は、日本最大級のローンデータベース「イー・ローン」のランキングを参考にしてはいかがでしょうか。
マイカーローンの総合ランキング
-
横浜銀行
- 実質年率
- 0.900% ~ 2.550%
- 金利体系
- 変動金利
- 借入可能額
- 10万円 ~ 1000万円
-
損保ジャパン
- 実質年率
- 1.400% ~ 3.950%
- 金利体系
- 固定金利
- 借入可能額
- 20万円 ~ 1000万円
-
- 実質年率
- 1.700% ~ 3.780%
- 金利体系
- 変動金利
- 借入可能額
- 10万円 ~ 1000万円
-
第4位武蔵野銀行
- 実質年率
- 0.875% ~ 3.000%
- 金利体系
- 変動金利
- 借入可能額
- 10万円 ~ 1500万円
-
第5位常陽銀行
- 実質年率
- 1.100% ~ 2.500%
- 金利体系
- 変動金利
- 借入可能額
- 10万円 ~ 1000万円
-
第6位
- 実質年率
- 1.600% ~ 5.325%
- 金利体系
- 変動金利
- 借入可能額
- 10万円 ~ 2000万円
-
第7位
- 実質年率
- 1.100% ~ 2.500%
- 金利体系
- 変動金利
- 借入可能額
- 10万円 ~ 1000万円
-
第8位北陸銀行
- 実質年率
- 1.500% ~ 3.600%
- 金利体系
- 固定金利
- 借入可能額
- 10万円 ~ 1000万円
-
第9位群馬銀行
- 実質年率
- 0.950% ~ 2.500%
- 金利体系
- 変動金利
- 借入可能額
- 10万円 ~ 1000万円
-
第10位京葉銀行
- 実質年率
- 1.450% ~ 3.450%
- 金利体系
- 変動金利
- 借入可能額
- 10万円 ~ 1000万円
また、このランキングはサービス選択時の参考情報を提供することを目的としており、ローン商品の商品性の優劣を示したり、イー・ローンとして特定の金融機関、ローン商品を推奨したりするものではございません。
文/續 恵美子