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第32回

マイカーローンで叶った軽キャン。人生の幅が広がりました。

埼玉県在住のいっくすさんは、4年前に、マイカーローンを活用して、軽自動車のキャンピングカーを購入。日本中を巡り、アウトドアスポーツを楽しんでいます。

オーナーさんデータ
埼玉県 いっくすさん(ハンドルネーム)ご一家
家族構成:
夫・いっくすさん(39歳・自営業)、妻(33歳・自営業)
世帯年収:
700~800万円
購入したキャンピングカー:
MYSミスティック製「J-CabinMini」
購入価格:
360万円
自己資金:
200万円
利用ローン:
オリコ「オートローン」
金利タイプ:
固定金利型
金利:
2.5%(2011年6月実行)
ローン借入金額:
160万円
借入期間:
1年6ヵ月
毎月の返済額:
7万円
ボーナス時加算額:
16万円(1回あたり)

いっくすさんがキャンピングカーに興味を持ったのは、スカイスポーツがきっかけでした。
いっくす
私たち夫婦の趣味はパラグライダー。20代後半から始め、キャリアはかれこれ10年です。もともとマツダのボンゴフレンディに乗って全国各地を回り、車中泊をしながらパラグライダーを楽しんでいたのですが、ボンゴフレンディは普通車なので燃費が悪く、維持費も高い。何より冬の寒さに弱い難点がありました。季節に関係なく快適に過ごせる車を求めて、キャンピングカーに心惹かれるようになりました。
そんな折に見つけたのが、“軽キャン”と呼ばれる、軽自動車をベースにしたキャンピングカーでした。
いっくす
というわけでキャンプありきではなかったのですが、軽自動車のキャンピングカーを第一に考えました。大型トラックやワゴン車をベースにしたものと比べて、燃費の良さや維持費の安さはもちろん、車両価格も低価格だったからです。キャンピングカーといえば、通常600~700万円。でも軽キャンの場合は最低200万円台から購入ができ、300万円台ならもっと満足度が上がります。手が届く価格帯になったことで、軽キャンブームが起き、今も続いています。「それなら私たちも買える」と思い、行動を起こしました。
キャンピングカーの専門雑誌を見て勉強したのち、販売店を回って条件に合うものを探しました。キャンピングカーを製造販売するMYSミスティック製の「J-CabinMini(ジェイキャビンミニ)」を選びました。
いっくす
購入したのはトラックキャンパー、通称「トラキャン」と呼ばれるもの。車体からシェル(運転席後ろの架装部分)を外せるタイプだったのが、最終的な決め手でした。私たちは車のヘビーユーザーなので、走行距離がすぐに20数万キロに達し、車がダメになってしまうんです。その際、シェルを下ろして新しく買った車にセッティングすればいいのは大きな利点でしたね。

購入した「J-cabin Mini」。車体からシェルが外せるトラックキャンパー

軽キャン選びでもっとも重要視したのは、「就寝スペースを素早く作れること」。長距離運転や遊びで疲れているのに、その作業に時間をとられるのは苦痛ですからね。ベッドを作る際に荷物をすぐに収納できる場所の有無と、寝る空間の広さも見極めのポイントでした。

軽自動車ベースながら、室内は思いのほか広い。大人2人がらくらく座れる

テーブルを外してシートを追加すると、ベッドに早変わり

設備については必要最低限のオプションに絞りました。冬の寒さをしのぐのに絶対不可欠だったのが「FFヒーター」。電気の量は快適さに比例するため、バッテリーの充実も欠かせませんでした。一方で冷蔵庫やエアコンなど電化製品がらみの設備は却下。後でポータブルタイプのものを買ったほうが安くすみ、持ち運びもできて便利だからです。

携帯用の電子レンジを持参。冷蔵庫やエアコンなどもポータブルタイプ

自分たちのこだわりのカスタマイズもお願いして、価格はトータル360万円。ビルダー(キャンピングカー・メーカー)によってはカスタマイズの融通が効きにくいところもあるようですが、私がお願いしたところは大丈夫でした。
4年間の走行距離は9万キロを突破。日本各地で趣味を満喫しています。
いっくす
購入して4年、北海道から九州まで全国各地を巡りました。当初はパラグライダーが目的でしたが、キャンピングカーにしたことでキャンプを始め、サイクリングの楽しさも覚えてハマっています。遊びの世界が広がりましたね。

先日は北海道を2カ月間旅行。広大な大地を駆け巡った

青森の十和田山にて。キャンピングカーがあれば、どこでも快適に過ごせる

オールシーズン過ごしてみて快適さは文句なし。冬にブリザードが吹いてマイナス10℃なんてときでも、FFヒーターでぽかぽかの車内に入ると最高の幸せを感じます。寝心地についても大満足。妻は寝る環境にシビアですが、下手なホテルに泊まるよりこっちがいいと言っていますから。4年間で最低150日は車中泊しているので、ホテル代に換算したらかなり浮いていますよ。

車の屋根に上って眺める星空は最高!屋根の強度をカスタマイズしている

ちなみにキャンピングカーで遊びに行って帰ってきても、すぐに家には入りません。自宅の駐車場に軽キャンを置き、車内で一杯やるのがいつものパターン。居酒屋に早変わりするわけです。おかげで会話が増え夫婦円満に。逆に家でケンカしたときには軽キャンに逃げ込みますけどね(笑)。
借入金額は160万円。ローンは、オリコのオートローンを選びました。
いっくす
購入総額は360万円。うち、車体はオプション込みで160万円。シェルはオプション込みで200万円でした。車体を現金一括購入し、シェルは40万円の頭金を入れてローンを利用しました。借入期間は1年半。最長7年まで組めたのですが、ローンの期間が長くなると、その分利息がかかるので、短期間の設定にしました。すでに返済は終わり、スッキリした気持ちです。
最後に、キャンピングカーの購入を検討している人へのメッセージをお聞きしました。
いっくす
欲しいと思ったときに購入するのがベストだと思います。キャンピンカーは買ってから楽しむものなので、老後というより体をアクティブに動かせるうちに手に入れるべきでしょう。ただし衝動買いは禁物。自分たちのカースタイルやライフスタイルを踏まえ、必要な設備を見極めることが大切です。低価格にこだわるなら、軽キャンも選択肢のひとつとしておすすめですよ。
ライターからのコメント。

いっくすさんは、キャンピングカーの購入代金すべてをローンで借りるのではなく、シェル部分だけにローンを活用して、あとは現金払いに。借入期間を1年半と短くすることで、利息を減らし早々と支払いを済ませました。最近は低金利なのですべてマイカーローンで借りる人も多いですが、現金払いとローンをバランス良く使うことで、ぐっと負担が減るでしょう。

※取材にご協力いただいたいっくすさんのブログ「あしたのつづき」
http://kcam-flyer.blog.so-net.ne.jp/

文/百瀬康司、企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン