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第15回

自動車ローンで叶ったカーライフ。高級外車を頻繁に乗り換えています

IT企業に勤める平田さんは、1、2年おきにポルシェやアルファロメオなどさまざまな車に乗り換え、カーライフを満喫しています。限られた資金で乗り換えられる秘密は車とローンの選び方にありました。

オーナーさんデータ
神奈川県 平田さん(仮名)ご一家
家族構成:
夫・伸晃さん(39歳・会社員)、妻・実彩子さん(38歳・会社員)
世帯年収:
1,200万円
購入した車:
ポルシェ930ターボ
購入価格:
500万円
自己資金:
200万円
利用ローン:
オリコ「ニューバジェットローン」
金利タイプ:
固定金利型
金利:
6.8%(2014年4月実行)
ローン借入額:
300万円
借入期間:
60回
毎月の返済金額:
約3万円

子供の頃から大の車好きだったという平田さん。大学時代に免許を取ると、1、2年ごとに新しい車に乗り換えるようになり、20年間で16台もの車を購入してきました。
平田
スポーツカーからオフロード車まで、とにかくいろいろな車を運転してみたくて。気がつけばこんなに乗り換えていました。ここ数年は、輸入車、それもヨーロッパの車ばかり乗っています。それも普通の車ではなくて、ちょっとこだわった車を選ぶのが好きで、期間限定販売のような稀少性の高い車を選んでいます。
たとえば、6年前に買った「アウディS4」。Sシリーズはレースで使われるような高性能モデルで、街ではほとんど走っていません。4,200ccのエンジンが搭載されていて、加速と高速での安定性が抜群でした。アウディは1,800ccのエンジンでも十分以上の性能を持っていますが、S4は段違いでしたね。乗っていてちょっと優越感がありましたね。内外装も、特別なシートが使われていたり、専用設計の細部まで丁寧に作られていて、“ジャーマンスピリッツ”を感じました。

アウディS4。4,200ccのエンジンを搭載した高性能モデル

その次に買ったのは、「アルファロメオ156GTA」です。今はフォード傘下になってしまったアルファロメオですが、このアルファロメオはイタリア純血資本で作られた最終モデルでした。156GTA自体はそれなりにありますが、この色とこの仕様は日本には入ってきていなくて、珍しい車でした。“官能的”と言われるエンジン音と、“世界一美しいワゴン”と言われたデザインで、とても伊達な感じ。デザイン優先で作られているからか、エンジンの凄さに対してボディ剛性が弱めで、加速するとボディがミシミシいっていましたが、そんなスリリングなところも面白かったですね。

アルファロメオ156GTA。国内ではほとんど見かけないモデル

その後、2年前に買ったのは、ミニクーパーのクラブマン・ハンプトン。これも限定販売の車でした。アウディなどのように速い車ではありませんが、ミニクーパーらしいシルエットで、内装も独特のブリティッシュな雰囲気。乗っているだけでおしゃれになったような気分が味わえました。
直近で購入したのは、1987年式のポルシェ930ターボです(冒頭の画像)。
平田
昔、『バッドボーイズ』という映画で、ウィル・スミスがポルシェに乗っていたのを見て、いつかは乗りたいと思っていました。ポルシェにもいろいろありますが、ずっと930ターボを探していました。ポルシェといえばこの形、という憧れがあったからです。『サーキットの狼』という漫画で主人公が乗っていたのがこれで、一番ポルシェらしい形と言われているそうです。実は、930ターボの前に930カレラを購入したのですが、どうしても欲しくなってしまって930ターボも探し続け、ようやく500万円で状態の良い個体が見つかりました。
1987年式ですが、発売当時、夢のスーパーカーだっただけあり、その年代の車とは思えないほど速い。流線型のフォルムはさすがに完成度が高く、見ているだけでも幸せです。
基本的に週に1回はドライブします。仕事でたまったストレスを解消するための、週末の儀式的に(笑)。近場でもちょっと遠くでも、最高のリフレッシュになりますね。

ポルシェ930ターボの車内。内装にも風格が漂う

こちらはポルシェ930カレラ。1987年式の人気車種

数年ごとに乗り換えれば、費用がかさみますが、平田さんは出費を最小限に抑えています。その工夫の一つが、少々高価だとしても、希少性の高い車を買うことです。
平田
理由は、少々値が張ったとしても下取り時に高く売れて、金銭的な負担が軽くなるからです。もともと希少性の高い車が好きでしたが、売買しているうちに資金面で考えても、そういう車を買ったほうが良いと気づいたんですね。
通常、新車は登録した瞬間、下取り価格が購入価格を4割以上下回ることが多いのですが、希少性の高い輸入車は値下がり率が低い。たとえば、新車のミニクーパーは1年ほど乗って売却しましたが、購入価格の9割以上で売れました。また、アルファロメオは、中古を260万円で買い、3年後に故障して手放したのですが、希少さ故に150万円で売れました。
極めつけは、ポルシェ930カレラですね。中古車で270万円で買ったのですが、半年乗って売却したら、350万円。なんと購入価格より高く売れました。なぜかというと、「ヒストリックナンバー」の車だから。ドイツの中古車は、30年経つと「ヒストリックナンバー」といって、工業製品の文化遺産という扱いになり、自動車税が無料となります。なので、まもなく30年を迎えるポルシェやベンツなどは、その予備軍として欧州で人気が急騰しているそうです。とくにポルシェ930は人気が高く、先日買い替えた930ターボは、買ってからまだ数カ月なのに私が買った値段の倍、1,000万円近くまで値上がりしているそうです。
こういう乗り方に味を占めてしまい、最近ではちょっとした投資感覚でカーライフを楽しんでいます。
もう一つの工夫は、ローンの使い方です。平田さんが活用しているのは、「残価設定ローン」。このローンは、新車であれば3~5年後に下取りしてもらうことを前提に、その時点の下取り価格(残価)を算出。その残価を車両価格から差し引いて、ローンを組むことができるのです。3年後に設定した場合、3年後に車を下取りに出す必要がありますが、月々の返済額は少なく抑えられます。
平田
アウディは購入価格が900万円でしたが、残価が3年後の400万円に設定されたので、約半分の500万円でローンを組めました。下取り時の金額が最低限保証されること(※保証型の場合)も、残価設定ローンの長所。一般的な自動車ローンより金利が0.5~1%程度高いようですが、私は次々と乗り換えたいタイプなので、こちらのほうが得だと思い、アウディを買った時から利用し始めました。
「下取り」が前提のローンですが、「買い取る」こともできます。実際、アウディは2年後に550万円で売れることが分かったので、あえて買い取り別の店に売りました。こういう手が使えるのも、残価設定ローンの良いところですね。
また、ポルシェを購入した時は、オリコの「ニューバジェットローン」を使いました。
平田
月々の返済金額の変更や返済期間の延長など、返済方法を自由自在に変更できますし、繰り上げ返済もできます。残価設定ローンは古い中古車には利用できないのですが、このローンで月々の支払額を少なく抑えておけば、残価設定ローンと同じような効果が期待できると思っています。
最後に、車の購入を検討している人へのメッセージをお聞きしました。
平田
車を持つということは、駐車場代、税金などランニングコストがかかりますが、それ以上の価値をもたらすことだと思っています。残価設定ローンや自由支払い型ローンなどの、多様なオートローンを駆使すれば、出費を最小限に抑えてカーライフを楽しめるはずですよ。
ライターからのコメント。

残価設定ローンは、3~5年ごとに車を乗り換えたいタイプの人にとっては、使い勝手の良いローンです。新車だけでなく、中古車を対象としたローンもあります。ただ、金利は普通のローンよりも高めに設定されていることもあるので、買い取ると損をすることもあります。普通の自動車ローンが良いか、残価設定ローンが良いか、はたまたニューバジェットローンのような自由支払い型のローンが良いか、慎重に考えて使い分けましょう。

企画構成/カデナクリエイト、編集/イー・ローン