第931回
マイカー購入時、車体以外に必要な費用がある?
- 昨年子供が生まれて家族が増えたこともあり、そろそろマイカーの購入を検討したいと思っています。ですが初めてのことで、購入時にいくら必要になるのかよくわかりません。購入資金の考え方について教えてください。(東京都 30代 会社員)
- マイカーを購入するときに準備すべき資金は、車両本体やオプション装備の代金だけではありません。消費税や自動車税/軽自動車税、自動車重量税、環境性能割、自賠責保険料などの法定費用や、その他のさまざまな費用も準備しておく必要があります。また、購入後も駐車場代や車検代、自動車保険(任意保険)料、ガソリン代などが継続的にかかります。マイカーの購入を検討する時には、これらの費用が将来の家計に与える影響も考えておく必要があるでしょう。
マイカー購入時には、車両本体の金額だけでなく、さまざまな初期費用が必要!
マイカーを購入する時には、車両本体やオプション装備の代金のほかにもさまざまな費用がかかります。
車両本体代金 オプション装備代金 |
・車両本体代金は、車種やグレードによって異なります。また、値引き販売する車種もあり、値引き額は販売店によって異なります。 ・オプション装備には、「純正ナビ」、「バックモニター」、「ETC」、「フロアマット」、「ヒーティングシート」、「アルミホイール」、「自動ブレーキシステム」などがあります。どの程度オプション装備をつけるかによって代金は大きく異なります。 |
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法定費用 | 消費税 | ・車両本体価格やオプション装備価格などに対して、10%がかかります。なお、2021年4月1日以降は、消費税額を含めて車両本体価格やオプション装備価格などを表示すること(「総額表示」)が義務付けられています。 | |||||||||||
自動車税/ 軽自動車税 |
・1年に1回、排気量に応じて課税されます。 (例 自家用自動車排気量1,500cc:30,500円、軽自動車:一律10,800円) ・4月に登録した自動車の場合は1年分を払いますが、年度途中で登録した場合の税額は月割で計算されます。軽自動車を年度途中で登録した場合、初年度はかかりません。 ※環境性能の優れた車はグリーン化特例によって軽減されます。 |
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自動車重量税 | ・自動車の重さに応じて課税されます。新車からの経過年数によって税額が異なります。 ・車検の時に、車検証の有効期限分(初回は3年分、その後は2年分)をまとめて支払います。
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環境性能割 | ・自動車購入時のみに支払う税金です。 ・環境性能に応じて税率は異なり、自家用乗用車:取得価額の0~3%、軽自動車:取得価額の0~2%です。 ※なお、2021年12月末までは上記税率から1%軽減する措置がとられています。 |
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自賠責保険料 | ・法律で加入が義務付けられている保険の保険料です。新車購入時は37ヶ月分(自家用乗用車:27,770円、軽自動車:27,330円)を前払いします。以降は、車検時に24ヶ月分((自家用乗用車:20,010円、軽自動車:19,730円)を支払います。 | ||||||||||||
車庫証明手続き代行費用 | ・販売店に車庫証明の取得を代行してもらうための費用です。 | ||||||||||||
検査登録手続き代行費用 | ・販売店に車を登録し、ナンバープレートなどの取得を代行してもらうための費用です。 | ||||||||||||
納車費用 | ・販売店が車を顧客の指定場所に届けるための費用です。 | ||||||||||||
リサイクル料金 | ・自動車リサイクル法に基づいて決められた料金(車種によって異なります)です。 | ||||||||||||
自動車保険料 | ・自動車保険(任意保険)の保険料です。損害保険会社の代理店になっている自動車販売店で契約することもでき、インターネットなどを活用して自分で調べて独自に契約することもできます。保険期間は一般的に1年間です。 |
なお、法定費用は法律で定められている費用で、金額は車両本体やオプション装備を選択することによって自動的に決まります。
マイカーを購入する前には、車両本体やオプション装備の代金だけでなく、その他にかかるさまざまな初期費用をトータルで見積もって、資金準備をする必要があります。
マイカーの購入を具体的に進めるためには、自動車販売店に足を運び、さまざまな自動車や装備を確認、相談して、必要な金額の全体を見積もってもらうことが近道でしょう。予算に合わせて車種やグレードを変更したり、オプション装備を絞り込んだりして調整することも検討したいものです。また、予算で新車が購入できない場合は、中古車販売店を訪問して見積もってもらうなどしてはいかがでしょうか。
マイカーは、購入後もお金がかかる!
マイカーを持つと、購入したあとも継続的に一定の費用がかかります。これらの費用は、長期に渡って、家計の影響を及ぼすことになるため、購入前の検討段階から、年間でいくら程度の費用がかかりそうかということも考えておく必要があります。
ガソリン代・高速道度の通行料等 | ・日常の運転等でかかる費用 | |
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駐車代 | ・自宅に駐車場がない場合の賃借料 | |
自動車税/軽自動車税 | ※上記「自動車購入時にかかる主な費用」参照 | |
自動車保険料 | ※上記「自動車購入時にかかる主な費用」参照 | |
定期点検・メンテナンス費用 | ・車を安全、正常に動作されるために必要な費用 | |
車検時 | 車検代 | ・新車で購入した場合、初回車検は3年後、2回目以降は2年ごとに車検を受けないと公道を走ることができません。車検代は車種や車の状態等によって異なりますが、1回あたり数万~十数万円程度かかります。 |
自動車重量税 | ※上記「自動車購入時にかかる主な費用」参照 | |
自賠責保険料 | ※上記「自動車購入時にかかる主な費用」参照 |
マイカーローンを活用する場合は、購入後の支出が増えることに注意!
マイカーを購入する際には、まとまった資金が必要ですが、購入したいときに十分な資金の準備ができてない場合もあるでしょう。自己資金を準備するために購入時期を遅らせると、思い描いた家族とのレジャープランが実行できなくなるかもしれません。マイカーなしに通勤できない地方に住んでいると、自己資金の準備状況にかかわらずマイカーを購入する必要に迫られます。
自己資金が不足する場合は、車種やグレード、オプション装備などの選択の工夫や、中古車への変更によって予算の圧縮を図る方法や、マイカーローンを活用する方法があります。
マイカーローンを活用する場合は、ローンの返済も購入後にかかる費用に加えて考える必要があります。そのため、借入金額や適用金利、各種手数料など、ローンの諸条件を比較・検討して、家計への負担を極力抑える工夫をしたいものです。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー。FPオフィス・ワーク・ワークス 代表。
教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。
※執筆日:2021年06月28日