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第881回

やっぱりマイカーが欲しい!資金計画はどうすればいい?

新型コロナウイルスとの戦いが長期化しそうな中、三密を避けた移動のためにマイカーが欲しいと思うようになりました。コロナの影響で少し減収もあるのですが、資金的な注意点を教えてください。(Kさん 会社員、36歳)
車の購入は車両費だけでなく、駐車場代やガソリン代、車検代などのランニングコストがかかることも頭に置いて購入しましょう。購入時には、「生活予備費」として手元資金はある程度残すことも大事です。

車の購入後にかかるコスト

一部報道によると、コロナ禍をきっかけにマイカー回帰の動きがみられるようです。公共交通機関と比べ、他人との密を避ける移動手段ですので、確かに一定のニーズは出てきそうです。「ドライブスルー検査」「ドライブスルー販売」「ドライブスルー屋台」など、車に乗ったまま受けるサービスも増え、Kさんではないですが、車の必要性を見直す人も少なくないのではないでしょうか?

さて、いざ車を購入するとなると、さまざまな費用がかかります。特に大きいのは購入時の車両費等です。自動車取得税は廃止され、環境性能割に変わっています。

購入時にかかる費用
・車両費、オプション費用(+消費税)
  例)200万円+20万円=220万円
・環境性能割:自動車購入時の取得価格に課税される税金。0~3%。燃費のいい車ほど軽減されます。
  例)2%の場合、4万円

しかし、忘れてはいけないのは、購入後のランニングコストです。次のようなものがかかります。金額は1つの例です。

ランニングコスト
・ガソリン代
  例)5,000円/月
・駐車場代
  例)20,000円/月
・自動車税(4月1日時点の所有者にかかる。納付期限は5月末)
  例)36,000円/年
・車検費用(2年に1回、新車は初回のみ3年に1回。自賠責保険・自動車重量税含む)
  例)84,000円/回(修理が必要なときはさらにかかる)
・自動車保険(任意保険)
  例)36,000円/年

上記の例を月額に換算すると月34,500円です。もし、車をマイカーローンで購入すると、ローン返済分も上乗せになります。例えば、200万円を借りて48カ月で返済しようと思ったら、毎月約4.3万円の返済になります(後述のマイカーローンシミュレーションで試算)。これを足すと、約7.8万円になります。

買う場合も必ず手元に生活予備費を

コロナ禍で家計管理において、生活予備費の重要性がわかった人は少なくないと思います。何があっても生活費3~6カ月分は常に普通預金や定期預金で確保しておけば、急な失業・倒産・減収に見舞われても、とりあえず3~6カ月はしのぐことができます。自然災害においても同じことが言えます。

Kさんも書かれているように、新型コロナウイルスとの戦いは今後も続くと見られています。そのため、車の必要性を認識して購入することになっても、生活予備費は常においておくことが大事です。

FPはよく「車は現金で買いましょう」と言いがちですが(私もです)、生活予備費を残さずに現金で買うのはNGです。生活予備費を確保した上で資金計画を考えましょう。必要なときはマイカーローンを利用するのも一法です。

ただし、減収などが見込まれる場合は、固定費の増加になるため、車の購入そのものをどうするかしっかり検討しましょう。

マイカーローンを利用するときには、毎月、あるいはボーナス時にどれくらいの返済額になりそうか試算しながら確認するといいでしょう。イーローンのサイトにシミュレーションコーナーもあるので、実際の数字を見ながら、マイカー取得にムリがないか、予算はどの程度にすべきか検証してください。

【参考リンク】

実際にマイカーローンを利用するときには、少しでも有利なローンを見つけてコストを抑えるようにしましょう。

【参考リンク】

私が書きました

豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。

※執筆日:2020年07月07日