第845回
良いクルマに長く乗りたい場合のローン選びのコツは?
- 消費増税後は、「良いものを長く使う」方針に考え方を変えました。車も同じです。買換えでは今より性能の良い車にして長く乗る予定です。マイカーローンの選び方はどのように考えたらいいでしょうか?(Oさん 会社員 39歳)
- ローンの選び方次第で毎月返済額が変わります。「家計に無理のない返済額」に収まるマイカーローンを選びましょう。
マイカーローンに回せる資金はいくら?
2019年10月に消費税が10%に上がり、ご自身の消費生活を見直す人も少なくないようです。Oさんは、「良いものを長く使う」という方針に変え、自動車も同様に「良いもの」を買って、「長く乗る」方針に変えたようですね。
自動車の場合、性能が上がれば価格上昇に直結します。そのため、自動車を購入する前に、わが家の家計でどこまでマイカーローンの返済に回しても大丈夫か、という金額を明確にする必要があります。
Oさんは、文面からして車の買換えだと思いますが、ファーストカーの場合は駐車場代やガソリン代などが新たに加わるため、なおさら慎重に検討する必要があります。
⇒ 月__万円程度まで
現在の家計をもとに上記目安額を設定します。子どもがいるご家庭では、今後の教育費の変化なども考慮して、ムリのない金額を記入しましょう。期間は10年程度を見越して検討してみましょう。この額を超えるマイカーローンになるときは、家計を見直す、または車の予算を見直す、収入を見直す、といったことが必要です。
ローンはどう選ぶ?
続いて、ローン選びです。大きく見ると、自動車メーカー系列の信販会社などが提供するディーラーローンと、銀行等(都市銀行、地方銀行、信用金庫ほか)やノンバンクなどが提供するマイカーローンがあります。
両者を比較してみると、金利はディーラーローンの方が高く、特に中古車は高めです。逆にマイカーローンは低めで、新車か中古車かで金利は変わりません。いずれも、金利はキャンペーンなどによって下がることがあります。
また、車の所有権についても異なり、ディーラーローンはローン完済までディーラーの保有になっています。そのため、ローン返済中の買い換えや売却などの手続きが大変です。一方、マイカーローンは車を購入した時点で自分のものになり、買換えや売却も自由です。今回の相談では長期保有が前提なので、あまり関係はないかもしれませんが。
長期保有を前提にした場合に影響するポイントは、マイカーローンの最長借入期間です。ディーラーローンは車体の減価償却などの関係から6~7年以内が多いようですが、マイカーローンは10年程度まで組むことができます。
そのほか、ディーラーローンは車が担保のため審査がかなり早く、比較的通りやすいというメリットがあります。マイカーローンでは、車は担保ではないため、本人の返済能力などが見られます。しかし、事前審査が可能で、しかもその結果は3カ月間有効な場合が多いです。
ディーラーローン | マイカーローン | |
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金利 | マイカーローンより高め。購入する車によって金利が変わることもある。中古車は高め。金利キャンペーンで下がることも。 | ディーラーローンより金利は低め。新車も中古車も適用される金利は変わらない。 |
所有権 | ローン完済までディーラーが保有。ローン返済中の買い換えや売却などの手続きが面倒。 | 車を購入した時点で自分のものに。 |
借入期間 | 5~7年のものが多い。 | 最長10年のものも多い。 |
審査 | 車自体が担保のため、審査が早く、比較的通りやすい。 | 無担保融資のため、本人の返済能力などが見られる。事前審査も可能。 |
比較して納得して選ぼう
車を選ぶ前にマイカーローンの事前審査を行っておけば、ディーラーローンで提示された金利や返済額、あるいは総返済額などを比較して、より有利な方を選択できます。総返済額については過去記事に詳しく書かれているのでご参照ください
【参考リンク】
ひと手間かければ、賢い消費者になって、無駄な金利を払わずに済みます。消費税10%時代には重要なことですね!
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。
20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。
※執筆日:2019年10月21日