第733回
約10年の長期自動車ローンで理想のクルマにも手が届く?
- 車の買い換えを予定しています。 子どもと山や海に遠出する機会が増えたので、今度は馬力のある大きめの車にして、長く乗りたいと考えています。 家計に負担の少ない、自動車ローンの選び方を教えてください。(Hさん会社員42歳)
- 大きい車に買い換えて、長く乗りたい、とのことですね。 購入資金を現金で用意できれば自動車ローンを利用せず利息負担もありませんが、自動車ローンを利用するならなるべく利息負担が少なく、家計に無理のない利用方法を考えましょう。
銀行等の自動車ローンは最長返済期間が長め
自動車ローンを利用する場合、まずは無理なく返済を続けられる「毎月返済額」を考えてみましょう。 「毎月返済額」は、現在の家計をもとに今後の教育費負担の増加なども考慮して設定します。 さらに、いろいろな自動車ローンをチェックして、金利や返済期間などの情報を集めましょう。
自動車購入にはディーラー提携の自動車ローンを利用する方も多いですが、銀行等(都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合等)の自動車ローンも検討されるとよいでしょう。 銀行等の自動車ローンは、一般的にディーラー提携の自動車ローンよりも金利が低めです。また、返済期間はディーラー提携の自動車ローンは最長6~7年程度ですが、銀行等は最長10年という商品が多くあります。
また、銀行等の自動車ローンは、「給与振込口座がある」「公共料金等の自動引き落としを利用している」等、その銀行等との「お付き合いの深さ」によって金利が優遇される場合があります。 お付き合いのある銀行等のホームページ、店頭のチラシなどで、自動車ローンについてチェックされるのもよいでしょう。
「総利息負担額」も考えて自動車ローンの条件を決める
毎月返済額を設定し、金利や返済期間の情報を集めたら、借入可能額を試算してみましょう。毎月返済額が同じであれば、金利が低いほど、返済期間が長いほど、借入可能額は大きくなります。 購入予定の車は「長く乗る」予定なので、最長返済期間の長い自動車ローンを利用して返済期間を長く組んで、借入可能額を増やすことも考えられます。 たとえば、毎月返済額が3万円、金利1.8%の場合、返済期間が5年ならば借入可能額は約172万円ですが、10年なら借入可能額は約329万円になります。
ただし、その他の条件が同じなら、返済期間が長いほど総利息負担額は大きくなります。 無理のない返済額で必要な金額が借りられ、さらに総利息負担額をなるべく抑えられるような、金利や返済期間を探ってみましょう。
表は、250万円を借りた場合に、金利や返済期間の違いで、どれだけ総利息負担額や毎月返済額が違うかを比較してみたものです。 [1]と[4]を比べてみると、その他の条件が同じなら、返済期間が長いほうが毎月返済額は少なくなりますが、総利息負担額は多くなります。 しかし、返済期間は短くても[2][3]のように金利が高めな場合と比べると、返済期間は長くても[4]のように金利が低い場合のほうが総利息負担額は少なくなる場合もあります。
金利 | 返済期間 | 総利息負担額 | 毎月返済額 | |
---|---|---|---|---|
[1] | 1.8% | 5年 (60ヶ月) |
116,061円 | 43,601円 |
[2] | 3.6% | 5年 (60ヶ月) |
235,484円 | 45,591円 |
[3] | 5.0% | 5年 (60ヶ月) |
330,685円 | 47,178円 |
[4] | 1.8% | 10年 (120ヶ月) |
233,616円 | 22,780円 |
イー・ローン シミュレーションにて、筆者試算
【参考リンク】
繰り上げ返済・一括返済の条件もあらかじめ確認
なお、無理のない返済額で借り入れができたとしても、利息を負担することには変わりありません。 返済期間中に臨時収入があったり、支出が減ったりして家計に余裕ができたら、臨時返済や一括返済を行って、利息負担をなるべく減らしたいものです。
自動車ローンを選ぶ際には、臨時返済や一括返済ができるのか、その際には手数料が(いくら)かかるのかなども、確認しておきましょう。