第273回

急にお金が入用になったときに使えるビジネスローン

最近の原材料高騰の煽りを受け、資金繰りが不安になってきました。いざという時に、すぐにお金が借りられる方法はありませんか?(神奈川県 会社経営 Yさん)。
中小企業や個人事業主を対象にした「ビジネスローン」があります。銀行や信用金庫などで受ける「融資」の場合、審査に時間を要しますが、「ビジネスローン」であれば即日から2~3日で借りられるものもあり、急にお金が入用になったときに便利です。

簡単、スピーディーにまとまったお金を借りることができる

ビジネスローンとは、中小企業や個人事業主に特化して作られたローンのことです。 担保や第三者の保証人が不要で、審査に必要な資料も通常の融資に比べて少なくなっているにもかかわらず、 短時間の審査でお金を借りることができます。中には、数時間で審査が完了し、即日お金を借りることができるものもありますので、 いざというときに心強い味方となってくれます。

このように、簡単、スピーディーに借りられるビジネスローンですが、まとまった金額を借りることができますので、 大口の注文が入ったときなどにも対応できそうですね。

銀行系とノンバンク系の2つに分類できる

ビジネスローンは、銀行系とノンバンク系の大きく2つに分類することができます。

銀行系のメリットは、なんといっても金利が低いことです。まとまったお金を借りる場合、少しの金利差でも利息に大きな差が出ます。 また、返済期間も長めに設定できるところが多いため、資金計画を立てる上でも活用しやすいと言えるでしょう。 ただし、審査に数日かかるため、急を要する場合には間に合わない可能性もあります。

ノンバンク系のメリットは、短時間でお金を借りられることです。 審査に要する時間は30分から1時間程度と短く、審査が通ったら即日お金を借りることも可能です。 また、提出する書類が少ないため、手間がかからないと言えます。ただし、銀行系に比べ金利は高くなっており、借りられる金額も少なくなっています。

まとまったお金を借りて、コツコツ返していくなら銀行系、金額も少なめで、借りてすぐに返せるならノンバンク系を選ぶなど、 使いみちに応じて選択するようにしましょう。

<銀行系とノンバンク系のビジネスローン比較>

銀行系

 

ノンバンク系

低め

金利

高め

多め

借入可能額

少なめ

長め

借入期間

短め

1~3日程度

審査

30分~1時間程度

事前に調べ、資金計画を立てておくことが大切

Yさんのように、資金繰りに不安を持っている人が増えています。 そのため、いざというときにお金を準備できる態勢を整えておくことが大切です。

お金を借りるということは、利息をつけて返さなければいけないため、しっかり資金計画を立てた上で利用しないと、 急場をしのぐことはできても、すぐにまた資金繰りに行き詰まってしまうことになりかねません。

慌ててお金を借りることになると、より有利なものがないか比較して選ぶ時間もなくなってしまうことでしょう。 そうならないためにも、借りる予定がないうちに、自分に合ったビジネスローンはどれなのか、調べておきましょう。

金融機関ごとに必要な書類は異なりますので、利用する予定の金融機関では、 どんな資料が必要なのか調べておき、準備できるものをまとめて整理しておくと安心でしょう。

私が書きました

中森 順子 (なかもり じゅんこ)

ファイナンシャル・プランナー。

プログラマー・SEを経験後、結婚を機に税理士事務所へ転職。企業の税務・社会保障・融資のサポートなど幅広く経験。個人のお金に関する相談が増えたことから、FP資格を取得。10年勤務後、個人の家計サポートに集中すべく、2003年に独立。住宅購入や資産運用、保険見直しなど、自分自身の経験も交え、執筆・セミナー・相談と幅広く活動中。家計診断は500件以上の実績あり。

※執筆日:2008年07月10日