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第153回

個人事業主が利用できるビジネスローン

事業拡大のために少しまとまったお金が必要です。会社形態ではなく個人事業主で事業をしていますが、個人でも事業用のローンの借入れはできるのでしょうか?

事業のためにまとまったお金が必要。そんな需要は企業ばかりではなく、個人事業主の人にもあるはず。事業のための借入れであれば「ビジネスローン」が利用できます。

注意しなくてはならない点は、ローンの取扱金融機関、会社によっては対象が中小企業に限定され、個人事業主は対象外になっていることもあります。

個人事業主でも利用できるビジネスローンもありますので、まずは対象かどうかを確認してみましょう。

ビジネスローンは大きく3種類ある

ビジネスローンには大きく3つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解して、ご自身の状況に応じて、より有利に利用するとよいですね。

(1)有担保のビジネスローン

不動産や有価証券を担保に借入れするものです。

一般的に無担保のものより借入可能額が大きく、金利も低めになっています。

借入期間が長く取れるものもあり、このようなローンであれば返済も比較的楽になります。

ただし、不動産を担保にする場合には不動産鑑定費用、根抵当権設定費用などの諸費用も必要になります。

<個人事業主でも利用できる例>
 
金利
借入可能額
最長借入期間
中央三井のビジネスローン
(有担保コース)
2.000~13.000%
100~3,000万円
3年
8.000~15.000%
100万円~1億円
30年

(2)無担保のビジネスローン

不動産など担保になるものが無い場合でも利用できるものです。

金利は一般的には有担保のものより高くなりますので、一時的に必要な資金で、比較的短期間に返済できるものに向いているといえます。

また、保証人が不要で審査回答までの期間も短い、というものであれば急な資金需要にも対応できるでしょう。ただし、このようなものは金利もかなり高くなるので、返済の見通しをしっかり立てた上での利用が望まれます。

<個人事業主でも利用できる例>
 
金利
借入可能額
最長借入期間
中央三井のビジネスローン
(無担保コース)
2.000~13.000%
100~3,000万円
3年
殖産銀行
("夢"サポート5000)
0.625~3.750%
100~5,000万円
5年
イッコー
(I・B・Sローン)
15.000~ 28.800%
100~2,000万円
6ヶ月(更新可)

(3)カードローン

借入可能額は上記の2つに比べ少なくなりますが、予め決められた金額の範囲内で、必要なときに必要に応じて引き出しができる利便性が特徴です。利便性が高い分、金利は高めになります。

 
金利
借入可能額
最長借入期間
中央三井のビジネスローン
(カードコース)
4.500~13.000%
100~1,000万円
1年(1年更新)
ビジネクスト
カードローン
13.000~18.000%
1~500万円
5年(自動更新)

一括申込みサービスもある

借入れするためには、当然ながら審査を受けることが必要になります。資金調達を急ぐ場合には、何社か同時に申込みをすれば借入れの可能性も広がり効率的です。

イー・ローンにも「ビジネスローンの一括申込みサービス」がありますので、利用するのもよいでしょう。

私が書きました

高田 晶子 (たかだ あきこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引主任者。

1985年東京女子大学卒業後、信託銀行入社。不動産業務に従事。その後、不動産コンサルティング会社を経て1996年に独立、(有)ケー・アンド・エム コンサルティングの設立に参画。目白大学エクステンション講座をはじめ各種セミナー講師や、相談業務、マネーコラム執筆等を中心に活動。

※執筆日:2006年02月07日