第842回
消費増税で何が変わった?軽減税率やポイント還元を確認
- 消費増税の前の住宅購入を検討しましたが間に合いませんでした。食品などは軽減税率や、キャッシュレス決済でポイント還元がありますが、今後住宅購入では何かお得な制度はありますか?(会社員 40歳 男性)
- 残念ながら、新築住宅や自動車についてはポイント還元の対象外ですが、住宅に関してはさまざまな税の優遇制度が拡大されています。バイクや原付自動車、車のオプションはポイント還元が受けられますので、上手に使い分けるといいでしょう。
消費増税後の軽減税率とキャッシュレス決済のポイント還元は違う
消費税10%に伴って導入された軽減税率とキャッシュレス決済によるポイント還元については、混乱している人も多いでしょう。
軽減税率8%が適用される食品は、どこのどの店で買っても税率は8%。 軽減税率適用外の日用品や外食などは、どこのどの店で買っても食べても税率は10%。 現金で支払っても、クレジットカードや電子マネーで支払っても同じです。
複雑になっているのがキャッシュレス決済によるポイント還元です。 キャッシュレス決済をすれば、すべてがポイント還元されるわけではなく、どの決済方法を選ぶか、そのお店はポイント還元事業者であるかどうかで変わってきます。多くのキャッシュレス決済に対応していても、そもそも大手スーパーはポイント還元なしです。 コンビニエンスストアは2%のポイント還元が受けられるため、たとえば定価販売の雑誌やタバコは、スーパーで買うより、コンビニで買えば2%のポイント還元が受けられるということになります。 個人商店がポイント還元事業者であれば、5%のポイン還元が受けられます。 ただ定価販売の商品以外は、得てしてスーパーのほうが廉価ですし、ポイント還元に相当するキャンペーンを実施するところもあるでしょう。
わざわざポイント還元のために遠方まで買い物に行く必要はありませんが、ものによってはキャッシュレス決済のポイント還元でお得に買える商品がある、ということは確認しておきましょう。
住宅関連の税制、補助金制度は拡大、増額。対象期間の期限に注意しよう
さて、ご質問の住宅購入ですが、新築住宅は軽減税率の対象外となります。 ポイント還元もありません。 住宅に関しては、土地は従来から非課税。建物部分の価格に対する消費税が10%になります。 その他、ローンを組む際のローン申込手数料、融資手数料、登記にかかわる司法書士報酬なども消費税10%となります。
しかし、消費増税に伴って税の優遇措置が拡大されていますので、増税前に購入できなかったからといって、損をしたわけではありません。
住宅ローン控除の適用期間は従来10年ですが、これが13年に延長されています。 すまい給付金は収入額に応じて、最大50万円(従来は30万円)に増額されており、収入の目安も775万円以下(従来は510万円以下)と収入要件も緩和されています。 もうひとつ、住宅取得資金贈与の特例(父母、祖父母など直径存続からの贈与)の非課税枠も拡充されており、省エネ住宅の場合で最大3000万円、一般の住宅で2500万円が非課税となっています。
いずれも契約の時期、居住開始時期など対象期間によって違いもあり、また時限的な経過措置でもあるので、住宅購入を今後検討しているのであれば、こうした優遇措置の適用期間については確認しておくようにしてください。
自動車は軽減税率もポイント還元もないが、工夫次第でお得になることも
住宅購入の他、大きな買い物として自動車がありますが、やはり軽減税率もポイント還元もありません。 オートバイに関しては、ポイント還元の対象となっています。 購入を検討しているなら、ポイント還元事業者かどうかをチェックするといいでしょう。
マイカーローンを組む際に金融機関によっては、借入金額に対して数%の事務取扱手数料がかかるところがあります。 その場合は消費税は10%になります。 ただ事務手数料がかからない金融機関も多いので、マイカーローン選びの際は金利比較だけではなく、手数料の有無をチェックするようにしましょう。
購入にあたっては、車本体以外のオプション、たとえばタイヤやアクセサリーなどはポイント還元の対象となるので、ディーラーや販売店がポイント還元事業者であれば、その分はお得に購入することができます。 また手付金、頭金の一部をクレジットカード払いOKとするディーラーや販売店もあります。 この場合もポイント還元事業者であるかどうかで、違いが出てくるでしょう。
住宅も自動車も購入後の維持費がかかり、消費増税の影響を受けます。 複雑に思えますが、日頃、使っている店舗がポイント還元事業者であれば、決済方法を確認し、少しでもお得になるようにしたいものです。