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第578回

リボ払いを計画的に利用するなら、リボ払いポイントを上手にゲット

お金を貯めて買うのが苦手で、時々リボ払いを利用しています。リボ払いを利用するとショッピング枠が減り、高い金利を払い続けるのですよね…。リボ払いとうまく付き合う方法はないでしょうか。(Kさん26歳、会社員 男性)
リボ払いをしなければいけないお金の使い方は早急に見直すべきですが、既にリボ払いを利用している方や、計画性をもってリボ払いを利用しようという方は、少しでも上手な使い方をしたいものですね。

リボ払いを「しない」という選択も

リボ払い(リボルビング払い)は、正しく理解しない人は利用すべきでない支払い方法だと言えます。所定の回数に分けて支払う「分割払い」と異なり、毎月の返済額が一定額に固定されるのが「リボ払い」で、たとえば「毎月1万円」と決めたら、残高がいくらあっても返済は毎月1万円(元本+金利)。

しかも、同じ無担保のカードローンなどでは年利4%程度から借りられる場合もあるなか、リボ払いは年利15%程度と金利が高いのも特徴です。金利負担だけを考えるなら、リボ払いを利用せずに、カードローンを利用した方がずっとお得です。

リボ払いの場合、こうした高金利に加え残債に関わらず毎月の返済額が固定されているため、返済期間が比較的長くなりがちです。利用枠いっぱい使用している場合でも、返済した分、利用枠が回復するため、いつまでも返済が終わらないという事態に陥りやすいのもリボ払いです。

返済期間が長くなるほど、それだけ「金利・手数料負担が増える」ということになります。つまり、高い金利を長く払い続けることになるのです。しかも、新規に借りても返済額が固定で負担が軽いことから、自己管理ができない人にとっては、ずるずると借入額を増やすことにもなりかねません。

Kさんもできるならリボ払いから足を洗い、そもそもリボ払いをしなければいけないお金の使い方を見直して、「貯めて買う」習慣をつけたいものです。すぐには無理でも、それを目指したいですね。

リボ・分割払いの上限はどう計算する?

Kさんのご質問の中に、「リボ払いでショッピングの枠が減る」とありますが、クレジットカードの利用可能枠についても知っておきましょう。

割賦販売法改正以降、新規のクレジットカード発行時や、更新をする際、あるいは利用限度額を増額する際には、「支払可能見込額」に基づく利用可能枠が算定されます。原則として、「支払可能見込額」の9割を超えると、クレジットカードの新規発行や更新、増額はできなくなります。

もしも、クレジットカードの利用額が気になる際には、目安として計算をしてみるといいでしょう。

クレジットカードの利用限度額=支払可能見込額×0.9*1

支払可能見込額=(年収―生活維持費<下表>-クレジット債務*2)

*1 経済産業大臣が定めた割合(0.9)

*2 クレジットカードの分割・リボ払いで返済する年間債務。「翌月1回払い」は対象外。

生活維持費(地域によって85~100%の範囲で規定)
居住形態 4人世帯以上 3人世帯 2人世帯 1人世帯
住宅ローン無、家賃負担無 200万円 169万円 136万円 90万円
住宅ローン有、家賃負担有 240万円 209万円 177万円 116万円

(日本クレジット協会ホームページより)

1つの例ですが、妻と子ども2人の4人家族で賃貸マンションに住み、年収360万円の例で考えてみましょう。クレジットカード債務が20万円の場合は、利用限度額=(年収360万円-生活維持費240万円-クレジットカード債務20万円)×0.9=90万円となり、十分に枠はあります。

しかし、クレジットカード債務が80万円に膨れ上がっていたとするとどうなるでしょう。(360万円-240万円-80万円)×0.9=36万円となります。

自分のクレジットカード利用限度額を厳密に知りたい場合は、クレジットカード会社に電話をして確認するのがより正確です。

「専用カード」をお得に使う手も

どうしてもたまにリボ払いをしてしまうという場合は、「専用カード」を活用するのも一法かもしれません。リボ払い専用カードには、キャンペーンで期間が限られているものもありますが、多くの特典がついていることがあります。

・入会(カード作成)で現金がもらえる(期限があることが多い)

・通常のクレジットカードに比べ、ポイントが2倍、3倍つく

・もちろん、カード年会費は無料

この専用カードをさらに上手に使う方法があります。「リボ払い専用カード」といいながら、返済方法はリボ払いだけでなく、一括払いもできます。一括払いだと金利はつきませんが、ポイントはつきます。しかも、一般のクレジットカードの2倍、3倍と高いポイントがつくのです。

そのため、通常の設定を「一括払い」にしておいて、金利や手数料は支払うことなく高ポイントをゲットし、どうしても必要なときにリボ払いを利用するのです。リボ払いの金利が高い場合は別ですが、同程度の金利のクレジットカードであれば、ポイント還元率が高い分、お得感があります。

ただし、ポイントが多少高くても、リボ払いの金利は非常に高いので、リボ払いの多用はできるだけ避けたいものです。前述のように、カードローンならもっと低い金利で借りられる場合もありますので、Kさんもご自身の借り方・返し方、ひいてはお金との付き合い方を再検討してくださいね!

私が書きました

豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。

※執筆日:2014年07月01日