第384回
消費税引き上げ前にオトクに購入する方法とは?
- 来月からタバコが値上げになるので、駆け込みで多めに購入しようと思っています。他の税金についてもじわじわ増税されていくような気配ですが、住宅や自動車も、消費税増税前に購入した方がオトクですよね?(28歳 会社員 男性)
- 国の厳しい台所事情を考えると、増税のトレンドは今後も続いていくでしょう。特に高額商品やサービスを購入する際には、増税前に購入できるようにしっかり準備しておきましょう。もし足りない場合は、「ローンの利用」をシミュレーションしてオトクに購入できるかを判断しましょう。
忍び寄る増税の気配
10月からタバコ1本につき3.5円の税金が上がることになっています。メーカー値上げ分も合わせると1本5.5円、銘柄にもよりますが、1箱は300円から410円にアップする予定です。そう考えると1日1箱吸う人は、1年で4万円ほど出費が増えることに。厚生労働省は更なる増税を模索中で、愛煙家の方々にとってはまさに悲鳴を上げたい事態でしょう。
「でも自分はタバコを吸わないから関係ない」という方も、消費税の引き上げについては気になるところではないでしょうか。私たちの日常ほとんど全てに直結している税金なだけに、タバコ税よりもずっと影響が大きいものです。約900兆円といわれる国の借金や、膨張し続ける年金などの社会保障費を考えると、消費税10%導入もそう遠くない未来の話かもしれませんね。
もし消費税が10%になったら?
「増税前に駆け込みで購入したほうがオトク!でも目標額までお金が貯まっていないから購入は見送った方がよいだろうか。」こんな場合の対処法ですが、負担を少しでも回避するために、増税直前にローンを組むという方法があります。まだ5%の消費税が適用されるうちにローンを組んで、総支払額を確定しておくというものです。これは、ローンシミュレーションを活用して、総支払額で比較すれば「ローンで購入」か「お金が貯まるまで待ち」のいずれかが判断できます。例として、自動車購入のケースで考えてみましょう。
例えば200万円(消費税抜き)の新車を、日立キャピタル の実質年率2.4%の自動車ローンで購入したと考えます。
<200万円(税別)の自動車を購入した場合の比較表>
■実質年率2.4% ■元利均等返済 ■ボーナス返済なし
消費税率 | 5% | 10% | |
---|---|---|---|
返済期間 | 3年(36回払い) | 5年(60回払い) | 増税後に現金購入 |
総支払額 | 2,178,606円 | 2,230,616円 | 2,200,000円 |
消費税が10%にアップし、現金一括払いで購入した場合は220万円になります。それよりも消費税が5%のうちに期間3年でローンを組んだ方が、21,394円も安く済みます。お金が貯まってから買うよりも、ローンを組んで購入した方が、たとえ金利分を払っても得する場合があるのです。一方、期間5年の方は30,616円高くなりますが、現金が用意できた時点でローンの繰上返済をすれば、220万円より安く済むことができるかもしれません。
消費税の引き上げについては、まだ具体的に決まった話はありませんが、政府の政策次第で、私たちの生活に関わるモノやサービスの金額が大きく変わります。オトクに購入するために、日頃の資金準備と、ローンに関する情報収集(特に住宅ローンの金利は金融機関毎で毎月見直されます!)をしっかりすることを心がけましょう。