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第1120回NEW

金利上昇で普通預金の方が有利に!預入中の定期預金の解約はできる?

最近の金利上昇で、数年前に預けた定期預金より今の普通預金の金利の方が高くなっています。それなら預け替えた方がよいと思うのですが、定期預金を途中解約できるのでしょうか。(会社員 25歳)
定期預金を途中解約できるかどうかは商品によりますが、途中解約する場合の金利は当初の金利より低くなるのが一般的です。そのまま満期まで預けるか、途中解約するのか、有利な方を選ぶとよいでしょう。

なぜ今、普通預金の金利が高いの?

2025年1月24日、日銀は政策金利をそれまでの0.25%程度から0.5%程度に引き上げました。その影響で各金融機関は預金金利を引き上げる動きとなっています。2025年2月現在、普通預金の金利は都市銀行で0.1%程度、ネット銀行では0.2~0.3%程度が多く、条件によっては0.4%程度のところもあります。そのため、現在の普通預金の金利が数年前に預けた定期預金の金利を上回っているケースも多いと思われます。

定期預金は満期まで預け入れたほうがいい?途中解約はできるの?

そもそも、定期預金の金利は満期まで継続することを条件に普通預金より高く設定されているのですが、最近の経済状況により普通預金の金利が大幅に上昇し、数年前に預けた定期預金の金利と逆転している状況です。

定期預金の途中解約ができるかどうかは商品によりますが、一般的な定期預金でしたら可能である場合がほとんどでしょう。但し、解約時には預入時の利率(約定利率)より低い、途中解約利率が適用される場合が多くなっています。途中解約利率は、預けている商品や預入期間により異なりますので詳細を確認しましょう。なお、定期預金は元本保証のため、当初預入元本を下回ることはありません。

預入期間5年の定期預金の途中解約利率の例
預入期間 途中解約利率
6か月未満 解約日における普通預金利率
6か月以上2年未満 約定利率の10%
2年以上3年未満 約定利率の20%
3年以上4年未満 約定利率の40%
4年以上5年未満 約定利率の70%

(筆者作成)

途中解約の手続き方法は金融機関によって異なります。定期預金通帳(証書)、印鑑(届け印)、本人確認書類等を持参した上で、実店舗でしか途中解約できない金融機関 もありますが、インターネットバンキングやATMでも途中解約が可能 な金融機関もあります。また、商品の種類によって手続きが異なる場合もありますので、預けている定期預金が途中解約可能かどうか、また適用される途中解約利率や手続き方法を金融機関のホームページなどの商品概要説明書で確認しましょう。

定期預金を途中解約したほうが有利かどうかの判断は?

定期預金を途中解約して高い金利の商品に預け替えた方がよいか迷う場合には、利息の差を計算してみるとよいでしょう。預金の利息は、下記の計算式で導けます。

預金利息(税引前)=元本×利率(年利)×預入期間(年)

※単利の場合

例えば年利0.1%、預入期間5年の定期預金に100万円預けた場合、満期時の利息は5,000円です(概算値、税金は考慮せず。以下同様)。これを途中解約する場合の受取利息の例は下表のとおりです。

元本100万円・年利0.1%・預入期間5年定期預金の解約時期による受取利息の例
解約時期 途中解約利率 途中解約利率 受取利息
1年で解約 約定利率の10% 0.01% 100円
2年で解約 約定利率の20% 0.02% 400円
3年で解約 約定利率の40% 0.04% 1,200円
4年で解約 約定利率の70% 0.07% 2,800円

※途中解約利率は商品により異なる。結果は概算値。税金は考慮せず(筆者作成)

定期預金を途中解約した方がよいかどうかは、解約時期や預け替え先の金利によって異なります。上記の例で、4年で解約して年利0.2%の普通預金に預け替えた場合、定期預金の受取利息2,800円と普通預金の利息1年分2,000円を合わせても4,800円ですので、解約せず満期まで預けて5,000円を受け取った方が有利になります。但し、より高い金利の普通預金や定期預金を選択するなら、預け替えた方がよい場合もあるでしょう。また、満期までまだ何年もある場合には途中解約し、より金利の高い商品に預け替えた方が有利となる場合が多いでしょう。

今後も普通預金の金利は上昇するかもしれませんし、当面使う予定のないお金ならより金利の高い定期預金を選択する方法もあります。金利の動向に注意しながら、預け替え先を検討するとよいでしょう。

【参考リンク】

私が書きました

福島 佳奈美 (ふくしま かなみ)

ファイナンシャルプランナー(CFPR)。

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。

※執筆日:2025年03月03日